まかどの地蔵(接引寺)

まかどのじぞう(しょういんじ)

不思議なお地蔵様の由来は…

新庄市金沢にいちする接引寺(しょういんじ)。その山門脇に大きな地蔵様が安置されています。

「まかどの地蔵」と呼ばれるこの地蔵様は、春秋の彼岸のときにはお参りに来た人たちがぼた餅や団子を食べさせるので口元があんこで黒く汚れています。

これには地蔵様の由来が関係しており、8月の新庄まつりとも関わりのあるお話です。


江戸時代の宝暦6(1756)年に始まったとされる新庄まつりは、その前年に東北を襲った宝暦の大飢饉で打ちひしがれた領民に向けて、時の藩主が天満宮の新祭を執り行ったことが起源とされています。新庄まつりは飢饉で犠牲になった人々の霊を鎮める御霊会の性質を持つお祭りとして始まりました。


一方で「まかどの地蔵」も宝暦の大飢饉に由来があります。

飢饉での餓死人は夥しく、寺での供養も追い付かないため、城下の町外れに大きな穴を堀り次々と投げ込んでいたそうです。するとその年、ウンカが大発生し稲に虫害をもたらします。人々はそれが餓死人の恨みが現世に害をもたらしたのだと恐れ、供養するために地蔵様を建立したと伝わります。飢えて苦しんだのち餓鬼道に陥り死んだ人々の魂を鎮めるための祈りから、地蔵様の口元にぼた餅を擦り付けるという風習が生まれたのかもしれません。


「まかどの地蔵」という名前は、元々地蔵様が安置されていた場所がクランク状になっていたので「真っ角(まっかど)」と呼んでいたことが由来です。「まかどの地蔵」は、静かな笑みを浮かべながら、忘れてはいけない新庄まつりの影の面を現代に伝えてくれています。



基本情報

住所
山形県新庄市金沢接引寺
アクセス
新庄駅前より徒歩15分
駐車場
問い合わせ先
新庄市商工観光課
電話番号
0233(22)2111
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