温泉地でのワーケーションに大注目。肘折温泉&あつみ温泉にGO!
「ワーケーション」とは、ワーク(仕事)とバケーション(休日)をミックスした造語で、日常から離れた場所に滞在し、仕事をきっちりした後に余暇を楽しむもの。ワーケーションは数年前から日本国内でも動きが始まり、コロナ禍を機に、テレワークが推奨されたことで一気に注目されました。
湯治×ワーケーションで
心身ともにリラックスする〜肘折温泉編
肘折温泉は大同二年(807年)開湯で、古くから湯治場として知られる山間の小さな温泉地。良質な温泉と、山からの恵まれた食材、豊富な自然に囲まれて“癒し”の要素がたっぷり。
そして仕事に疲れたらすぐ近くで気分転換できる要素もあります。しかも長年湯治客を受け入れてきた温泉街でもあることから、1泊2食付きで1泊5000円台から宿泊できたり、安価な素泊まりプランを利用できたりするなど、お財布に優しい温泉地でもあります。
まずは「肘折いでゆ館」へ。
ここには、セキュリティーを強化した高速Wi-Fi、電源、大画面モニター、大型テーブルとリクライニングチェア、コピー機、プロジェクター等を完備したワークスペースがあり、グループワークも可能。上のフロアには豊富な湯量を誇る温泉があり、気分をリフレッシュしたい時にすぐに入浴OK。
肘折温泉の泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。茶褐色の優しいお湯は、湯冷めしにくく肌がツルツルになります。長時間のデスクワークで固くなった体が瞬時にほぐれていくかのよう。
肘折いでゆ館から車で約5分の場所には、源泉が黄金温泉という名の「カルデラ温泉館」があります。ここには冷泉と温泉の2つの炭酸泉があり飲むこともできます。特に炭酸冷泉がとても美味で、ゴクゴクいける!
もちろんレトロな内装の内湯でも(冷泉も設置)、露天風呂でもゆったりつかって疲れを癒すことができます。
誘惑が多すぎるリゾート地では、気もそぞろになってしまいますが、肘折温泉は適度な非日常感で、ワーカーをもてなしてくれます。それもまたワーケーションに最適な理由と言えるのです。
例えば、土地のお母さんたちが農産物、手作りのおかず、珍しい郷土料理を並べて販売する「朝市」。夏場は朝5時過ぎから開くというからびっくり。
「これはお母さんが作ったの?」と聞くと、「んだ!」と満面の笑顔で答えくれるし、ちょっとした値段交渉をしたりするのも朝市の醍醐味。それもまた、肘折ワーケーションのアクセントになるのです。
朝市の開始時間に合わせて、なんと朝6時からオープンする酒屋の角打ちで地酒を愉しむのもいいでしょう。大正時代に創業した老舗「カネヤマ商店」では、ワンコインで日本酒、生ビールが飲め、さらには酒のアテもいただけます。仕事が終わって、ひとっ風呂浴びた後にグピりと一杯いくと命の洗濯に。観光客以外に地元の方も集っているので、彼らと杯を交わすのも楽しい。
数日間連泊するのなら、肘折温泉の開湯伝説が残る「地蔵倉」へのトレッキングもおすすめ。表面に穴が空いた珍しい形の岩が立ち並ぶミステリアスな空間は、山形有数のパワースポット。縁結び、商売繁盛、子宝を願う人々が参拝に訪れ、登りが少々きついぶん、山頂から月山(がっさん)、村山葉山などの美しい山姿を望めます。
仕事をしながら、温泉三昧、山菜や新鮮な野菜たっぷりの郷土料理に舌鼓を打ち、ちょっぴりハードなトレッキングで運動etc.
そう、肘折温泉ではヘルシーなワーケーションを堪能できるのです。
地球の明るい未来のために
SDGsを考えるワーケーション
〜あつみ温泉編
ワーケーションと並びSDGsという言葉も、最近よく聞かれるようになりました。Sustainable Development Goalsの略であり、2015年9月の国連サミットにて全会一致で採択された「持続可能な開発目標」を指します。キーワードは「Leave No One Behind(誰一人取り残さない)」。2030年までを期限とする世界共通の17の目標により、貧困や飢餓や暴力を撲滅し、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展。人権が守られている世界を実現することを目指しています。
SDGsを考えるワークショップをメインとしたワーケーションのモニターツアーを2021年3月に行ったのが、鶴岡市にあるあつみ温泉「高見屋別邸 久遠(くおん)」(以下、久遠)。あつみ温泉は新潟県との県境に位置し、開湯から1000年を超える由緒ある温泉地です。
単なるワーケーションで終わらせず、未来への目的意識をはっきりと持ったプログラムを盛り込んだのが大きな特徴です。ツアーには、小学生から大学生、会社員、フリーランサー、会社経営者、赤ちゃんや未就学児童連れのワーキングマザーなど多種多様な背景を持つ人々が参加。あつみ温泉が抱える課題・問題などに各々が思いをはせ、さらにはワーク、バケーションも行ったのが画期的といえるでしょう。
さらには、鼠ヶ関(ねずがせき)という久遠から近い海岸で漂着ゴミの現状を視察したり、山形伝統野菜の“温海カブ”を作るための焼畑農業の見学もしたり。どちらもSDGsを考えるいい機会になりました。
久遠はもちろん、あつみ温泉は街全体でワーケーションに前向きに取り組んでいます。例えば温泉街の中心を流れる温海川沿いに設置したソファーや、足湯カフェで仕事や打ち合わせをしたり、旅館同士でワーケーションフロアを共有するなど。どこでも仕事ができるのが大きなポイントです。
そしてナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩泉をご堪能あれ。少しだけ硫黄臭を感じる“はしご風呂”で、仕事で疲れた心身に癒しを与えてくれます。
あつみ温泉街の中の「あつみ温泉バラ園」では、SNSでバズったという、バラの形を模したアイスクリームを「ローズガーデンカフェ」で食べることもできます。あまりの可愛さ、精巧さにインスタ映え必至!
あつみ温泉では古代布の郷、関川集落に伝わる「しな文化」を気軽に体験できます。人気の足湯カフェで、しな糸を用いたタッセルチャームやピアス作りやシナの花を用いたナチュラル石鹸作り、旅のちょい足しに◎です。
ちなみに、シナノキの樹皮は織物となり帽子やバッグに用いられたり、花から蜂蜜がとれたりするなど、まさにSDGsの面でもすぐれもの。
久遠では、今後も様々なテーマのSDGsツアーを予定しています。普段あまり考えることのない“意識の高い”ワーケーションを、ここで体験してみてはいかがでしょう。
基本情報
- 肘折いでゆ館
住所:山形県最上郡大蔵村南山451-2
営業時間:9:00〜18:00(11月〜3月は9:30〜17:00)
休館日:月曜、火曜
入館料:大人450円、子供250円、ワーケーション利用料金600円(1時間)、3000円(1日)
駐車場:あり
アクセス:山形新幹線東京駅より約3時間30分、新庄駅下車。新庄駅より大蔵村営バスで約55分 東北中央道舟形ICより車で約40分
電話番号:0233-34-6106
- 黄金温泉 カルデラ館
住所:山形県最上郡大蔵村南山2127-79
営業時間:9:30〜17:30(11月〜3月は10:00〜16:30)
休館日:水曜、木曜
入館料:大人500円、子供250円
駐車場:あり
電話番号:0233-76-2622
肘折温泉観光案内所(肘折いでゆ館)
営業時間:9時~17時
休業日::毎週月・火曜日
電話番号:0233-76-2211
(月・火は大蔵村産業振興課へTEL0233-75-2105)
HP::肘折バカンス https://hijiori-vacances.com/
- 高見屋別邸 久遠
住所:山形県鶴岡市湯温海字湯之尻83-3
駐車場:あり
アクセス:上越新幹線東京駅から約1時間30分、新潟駅から羽越本線特急いなほ号に乗り換え約1時間30分、あつみ温泉駅下車。あつみ温泉駅より送迎バスあり。
電話番号:0235-43-4119
ローズガーデンカフェ
住所:山形県鶴岡市湯温海甲71-1
営業時間:12:00〜17:30(土日祝日は10:00〜17:00)※季節限定営業、悪天候時は休業
定休日:火曜
電話番号:090-2367-4770
関川しなもっこタッセル作り体験@足湯カフェ
実施:Green Blue あつみ
※令和3年10月31日現在の情報をもとに作成しています。