四季折々の魅力に溢れた霊峰月山を堪能する旅
山形県のほぼ中央に位置する霊峰月山。
磐梯朝日国立公園内にあり、大昔からの山岳信仰の地である出羽三山のひとつとして知られています。
夏スキーが有名ですが、月山はどの季節も美しく、四季折々の魅力に溢れています。
天然山菜づくしが通年楽しめる、
月山志津温泉「変若水の湯つたや」
出羽三山詣の行者の宿場町として、400年以上前から栄えてきた月山志津温泉。
山形県の村山地方と庄内地方を結ぶ『六十里越街道』の要所でもあるここは、夏スキーや四季ごとのトレッキングなど、月山観光の拠点となる場所です。
この地で、創業およそ400年という歴史を刻む由緒ある宿が「変若水の湯つたや」。
月山神社の祭神“月読命(つきよみのみこと)”が持っていると言われる“変若水(おちみず)=若返りの水”を名前に頂いた温泉は、疲労回復や美肌効果が抜群。天井から床までの大きなガラス窓がある大浴場で、お湯につかりながら眺める月山の頂や広大なブナ林の絶景には、心から癒やされます。
「変若水の湯つたや」の最大のご馳走は、月山で採れる豊富な天然の山菜。月山の雪解け水で育つ山菜はみずみずしく、驚くほど深く濃い味わい。
人工的なものが何もない清廉な環境だからこその味です。宿の周りで採れる数えきれないほどの種類の山菜を、様々な料理方法で楽しませてくれる山菜づくしの夕飯は、ここでしか体験できない自然の恵み。
雪解けから秋までは採りたてが、冬は塩漬けや乾燥、瓶詰めなど厳しい冬を乗り切るために受け継がれてきた様々な技術を駆使して保存された山菜を手間隙かけて戻して料理したものが、食卓を彩ります。
秋には、さらに天然きのこが加わります。
月山に広がるブナの原生林で採れる何十種類ものきのこもまた、ここでしか味わえないものばかり。香りや味わい、歯応えなど、ひとつとして同じものがないきのこの奥深い世界を体験することができます。
古来から、行者たちに提供されていた「山のもの」料理。それが「変若水の湯つたや」によって現代的に洗練され、心づくしのおもてなし料理となっています。
●基本情報
住所:山形県西村山郡西川町志津10
電話:0237-75-2222
日帰り入浴:11:30〜15:30最終受付 大人800円、小人500円。
冬季休館日あり
URL:https://www.gassan-tsutaya.com
月山を遊び尽くすには最適のリゾート。
「月山ポレポレファーム」。
月山観光のもう一つの拠点として、アウトドア派やファミリーにおすすめなのが「月山ポレポレファーム」。
月山の麓に広がる1万坪の敷地の中に、コテージが7棟点在するリゾート宿泊施設です。コテージの前にテントを張ってバーベキューをしたり、レンタル自転車で大自然の中のサイクリングを楽しんだり、敷地内の池で釣り体験をしたり、スラックラインに挑戦したり、ハンモックに寝転んでただゆっくりとしたり。充実した時を過ごすことができます。
日本山岳ガイド協会の有資格ガイドがスタッフなので、7つのルートがある月山登山の案内も安心してまかせられます。夏季は月山湖でのカヌー体験や、ブナの原生林ツアー、六十里越街道トレッキングなどもあり、月山の大自然を堪能するにはうってつけ。秋の月山紅葉ツアーも見逃せません。隣接する112haもある弓張平公園では、テニスやパターゴルフ、キックボードなどのアクティビティもできます。
日本中のスキー場がクローズになる4月にオープンする月山スキー場までは、「月山ポレポレファーム」から車で12分。4月初旬から7月末まで、大自然のパノラマコースでのスキーやスノーボードが体験できます。山全体がゲレンデになっている月山スキー場での夏スキーは、最高の爽快感です。
冬季には、弓張平公園の中にオープンする月山スノーランドで、様々な雪遊びを体験することができます。チュービング、バナナボート、スノーシューツァー、クロスカントリーレッスン、雪上車クルーズなど、小さな子供からお年寄りまで楽しめる雪遊びが盛り沢山。「ポレポレファーム」宿泊者は1日券が割引になる特典もあります。
●基本情報
住所:山形県西村山郡西川町大字月山沢347-3
電話:0237-75-2240
四季それぞれの美しさを堪能できる、月山トレッキング
季節によってまったく違った表情を見せる月山。その魅力を堪能するには、トレッキングが一番。
春夏秋冬と四季を通じてトレッキングが楽しめます。
5月〜6月は、「月山の残雪とブナの新緑トレッキング」。月山山麓にある245 haという広さの山形県立自然博物園は、ブナの原生林が広がり、ミズナラ、カエデ、トチなどが林立しています。
その森の中を、自然解説員と共にトレッキング。ウグイスやシジュウカラ、ホトトギスといった野鳥のさえずりを聴きながら、残雪と新緑の見事なコントラストに囲まれてのトレッキングは、心から癒やされる体験になるはずです。
6月下旬から8月末までは、「月山フラワートレッキング」で高山植物に親しみましょう。月山は標高1984mですが、日本海側からの季節風をまともに受けるため、3000m級の山でしか見られない花々も咲く高山植物の宝庫です。
見所コースは、月山ペアリフト下駅から姥ヶ岳山頂、そこから月山山頂にかけてのルート。晴天なら、日本海から鳥海山までもが見渡せます。鶴岡方面からアクセスの場合は、弥陀ヶ原の月山レストハウスを起点に、仏生池小屋を経て山頂へ。3時間ほどの登山道なので、きちんとした装備で出かけましょう。残雪の中で咲き乱れる高山植物の可憐さが感動的です。
9月上旬から10月中旬にかけては、「月山紅葉トレッキング」のシーズン。ミネザクラやナナカマドなどの低木類が紅葉し、広大な山肌を美しく染める景色は圧巻です。9月上旬に山頂から始まる紅葉は、月山ペアリフトが運行を終了する10月中旬まで楽しめます。
12月から3月までは、「スノーシュートレッキング」で白銀の月山の大パノラマを満喫しましょう。
スノーシューは、雪の上を歩くための歩行具で、西洋かんじきとも言われています。月山のある西川町は、「日本一の『月山』雪国宣言」の町。山嶺だけでなく里山も含めて、全体が「スノーシューパーク」になっています。初心者向けから経験者向けまで、多種多様なコースとプログラムがあるので、冬ならではの月山の表情が体験できます。
●基本情報
問い合わせ/月山朝日ガイド協会
URL: https://ga-ga.jp
山形県立自然博物園
住所:山形県西村山郡西川町志津字姥ヶ岳159
電話:0237-75-2010
豪雪地区志津温泉ならではのイベント
「雪旅籠の灯り」
月山の麓にある志津温泉地区は、人々が暮らす地域としては国内で一番の積雪深です。冬場の積雪が6mにも及ぶ雪を活用した、ここにしかないイベントが「雪旅籠の灯り」。400年以上前から、出羽三山詣の行者たちの宿場町だった志津温泉地区に、かつて立ち並んでいた旅籠を雪で再現(2022年は2月5日〜2月27日)。雪でできた旅籠の中にはたくさんの灯りが置かれ、夜はとても幻想的な雰囲気になります。雪の旅籠の中にはお店やバーもあり、ちょっと立ち寄るのにも最高。
新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年と今年は規模を縮小し、宿泊者限定の受け入れになっています。残念ながら雪の旅籠内には入れず、バーなどの出店も未定ですが、タイミングがあえばぜひ見に行きたいイベントのひとつです。
●基本情報
会場/西川町志津地区 月山志津温泉街内
問い合わせ/西川町商工観光課
電話:0237-84-0566
月山の雪と親しみ遊ぶ、スノーアクティビティ施設。
「月山スノーランド」
月山エリアは、11月からのスノーシュートレッキングから7月下旬までの夏スキーまで、約9ヶ月の長期に渡ってスノーアクティビティが楽しめる、国内でも稀有な場所です。月山の麓にある「月山スノーランド」は、その月山の雪と気軽に親しめる場所として、2020年に弓張平公園内にオープンしました。
112haという広大な敷地には、Tバーリフトが設置され、斜面ではチュービングやバナナボート、フリーライドなど様々な雪遊びを楽しむことができます。スノーモービルに牽引される大型ソリに乗っての雪原ツアーや、スノーシューをはいて月山の大自然の中をウィーキングするといった体験、初心者向けのクロスカントリーレッスンなども用意されています。
また、雪原を雪上車に乗って遊覧し絶景ポイントに立ち寄る「雪上車クルーズ」は、他ではめったに体験できないアクティビティ。約40分のガイドツアーのほか、ランチ付きの「雪上車遊覧パックツアー」もあり、ひと味違うスノーアクティビティを経験することができます。
月山に降る豊富な雪を生かした、楽しい雪遊びが存分に楽しめる「月山スノーランド」。大人も子供も、冬の月山の雄大な自然と雪をたっぷりと満喫できるスポットです。
●基本情報
住所:山形県西村山郡西川町大字志津172-3
電話:0237-75-2040(弓張平公園パークプラザ)
0237-74-4119(月山朝日観光協会)
営業時間:午前の部10:00〜12:00
午後の部13:00〜15:00
料金:予約入場料500円(当日1000円)
体験チケット予約半日券大人2500円(当日3000円),小学生2000円(当日2500円)
体験チケット予約1日券大人3500円(当日4000円),小学生3000円(当日3500円)
*予約はホームページから。
・2021〜2022シーズンの営業は12月18日からスタート(4月中旬まで)。
・土日祝日のみの営業
・宿泊施設によってチケット割引あり。