やまがたフルーツPR隊「YFP150」vol.2(前編)ブルーベリー
山形県は、年間を通じて様々なフルーツが楽しめる「フルーツ王国」。そんな県内各地の美味しいフルーツや周辺観光スポットを、山形県内の学生たちによる「やまがたフルーツPR隊『YFP150』」(わいえふぴー いちごーまる)が取材し、その魅力を前編・後編にわたってお届けします!
第2回は、東北農林専門職大学 農業経営学科 果樹専攻の2年生の皆さん!前編では「ブルーベリー」の魅力について、生産者の方へのインタビューやブルーベリー摘み取り体験を通して伝えてもらいますよ★
ブルーベリー
私たちは「やまがたフルーツPR隊『YFP150』」として活動している、東北農林専門職大学 農業経営学科 果樹専攻の2年生、大野雄二朗・奥山歩美・大本浩平・奈良昴です。
2024年に開学したばかりの本学では、さくらんぼやりんご、もも、ぶどう、なしなど、山形を代表する多彩な果物について、実習と座学を通じて日々学んでいます。私たちはその“第1期生”として、実際の農園や現場での経験を大切にしながら、果樹の魅力をもっと多くの人に届けたいと考えています。
そんな私たちが在学中に迎えたのが、「やまがたフルーツ150周年」という節目の年。まさに運命的なタイミングでした。この記念すべき年に、実際の農園を訪れて取材できるという貴重な機会をいただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
山形は“果樹王国”として広く知られていますが、私たちが学生として現場を見て感じたのは、「まだまだ知られていない魅力がたくさんある」ということでした。
今回訪れた「ありやブルーベリー園」も、私たちにとってはそんな知られざるスポットのひとつでした。ここには、美しい自然の風景と、愛情を込めて育てられたブルーベリー、そして訪れる人をあたたかく迎えてくれる空気感がありました。
この記事では、私たちが実際に体験して感じたことを、観光で訪れる皆さんの目線に立ってお届けしていきます。きっと、ブルーベリーの新たな魅力を発見していただけると思いますよ。
まるで森の宝探し
山形・金山町「ありやブルーベリー園」で見つけた、とっておきの夏体験
山形県金山町。新庄市から車で30分程度走るだけで、目の前に広がるのは、自然に抱かれた静かな山あいの風景。その中に、ちょっと特別なブルーベリー園があります。
「ありやブルーベリー園」。ここは、約500本、20種類以上のブルーベリーが育つ農園で、夏になるとたくさんの人が摘み取り体験に訪れます。
まず驚いたのが、ブルーベリーの種類の多さと味の違い!
園内に入ると、ずらっと並ぶブルーベリーの木。大きさや葉の色、実のつき方もさまざまで、「こんなに種類あるんだ…」とびっくりしました。なんとここでは20種類以上の品種を育てているそうで、それぞれ甘み、酸味、香り、粒の大きさが全然違います。
私たちもいろんな木から摘んで食べてみましたが、「こっちは濃厚で甘い!」「あ、この実はちょっとすっぱいけど爽やか!」と、それぞれが気に入った味を探しながら楽しめました。ブルーベリーって、こんなに個性があったのだと気づかされました。
熟れ具合によっても味が変わってくるので、赤みがかったものを試しに口に入れて「あ、これはまだ早いかも」なんて話しながら、まるで宝探しのように夢中になって摘み取っていました。

子どもからお年寄りまで楽しめる、やさしい農園設計
この農園では、木が低く育てられています。実はこれ、ただ摘みやすくするためだけでなく、冬の雪の重みに耐えられるようにするための工夫でもあるみたいです。雪深い地域ならではの知恵ですね。
そのおかげで、背伸びをしなくても手の届く高さに実がついていて、小さな子どもやお年寄りでも無理なく収穫できます。実際、子ども会や家族連れで訪れる人も多いそうです。
「ブルーベリーってどこに実がなるの?」「こんな風に育つんだ!」と、子どもたちが目を輝かせながら収穫している姿が目に浮かぶようでした。

自然の中で過ごす、贅沢で静かなひととき
ありやブルーベリー園のもうひとつの魅力は、その「場所の力」です。農園があるのは、山の緑に囲まれ、すぐ近くに川が流れる、まるで別世界のような静かな場所。
私たちが訪れた日も、聞こえてくるのは風の音と川のせせらぎ、そして鳥のさえずりだけ。収穫に夢中になっていたら、「あれ、さっきまで暑かったのに、川の流れる音でなんだか涼しく感じるね」と思えるほど集中していて、気づけば時間を忘れていました。人工的な音が一切ない中で、自分の手で果実を摘み、味わうそんなシンプルだけど特別な体験ができるのが、この農園なのだと思います。

ブルーベリーは“脇役”じゃない。主役級の果物!
これまで私たちは、ブルーベリーといえばヨーグルトの上にちょこんと乗っている“飾り”というイメージがありました。でも、ありやブルーベリー園で実際に食べてみて、その印象は大きく変わりました。
摘みたての実は、ぷちっと弾けて果汁があふれ、甘さと酸味のバランスが抜群。まるで森の中で食べるスイーツ。しかも、粒の大きな品種は本当に食べごたえがあって、「これ、デザートの主役にしていい!」と思えるほど。
農園では、複数品種を詰め合わせた「お楽しみパック」の販売もしていて、ネット注文や電話注文にも対応しているそう。さらに秋には手作りジャムとして町内で販売され、スイーツ店からの注文も多いとのこと。「果実そのものの味を生かしてほしい」という園主のこだわりが、ひと瓶ひと瓶に詰まっています。


未来の果樹としても注目されるブルーベリー
近年の猛暑や気候変動の影響で、果樹栽培にもさまざまな課題が出てきています。でもブルーベリーは、そうした高温にも比較的強い果物。ありやブルーベリー園でも、暑さが厳しい中でもしっかり実がつき、品質が保たれているそうです。
果樹経営を学ぶ私たちにとって、こうした「気候に強くて育てやすい果実」はすごく重要なキーワードで将来栽培したいと考えたメンバーもいました。栽培の工夫や地域の気候との相性など、現場でしか聞けない話もたくさん学ばせてもらいました。
最後に、ありやブルーベリー園を訪れて、私たちはブルーベリーに対するイメージががらりと変わりました。
これまでスイーツの飾りとしてしか意識してこなかったこの果物が、実際の栽培風景を見て、自分の手で収穫して、味わってみることで、「果樹」としての奥深さをしっかり感じられる存在になったのです。
農薬を極力使わず、20種類以上の品種を丁寧に育てている園主のこだわり。小さな子どもやお年寄りでも摘み取りやすいよう木を低く育て、誰でも楽しめるように工夫された園内。さらに、近年の高温にも負けずにしっかり実をつけるブルーベリーの力強さ。
それらすべてが、この場所の魅力であり、「ブルーベリーってすごい!」と実感する体験でした。
山形は“果樹王国”と呼ばれるほど、多様な果物が実る地域です。今回の取材を通して、そんな山形にはまだまだ私たちの知らない果樹園や魅力的な生産者がたくさんあると気づきました。
果樹専攻の学生として、今回の経験を糧に、これからも山形の果樹の魅力を深く学び、それをもっと多くの人に楽しく伝えていけたらと思います。

【基本情報】
ありやブルーベリー園
住所:山形県最上郡金山町有屋1-6
電話番号:0233‐52‐7164
ありやブルーベリー園|山形・金山の美味しいブルーベリー!ホームページへようこそ! (ariyabbg.com)