• HOME
  • 特集
  • やまがたフルーツPR隊「YFP150」vol.7(後編)ほほえみの宿 滝の湯

やまがたフルーツPR隊「YFP150」vol.7(後編)ほほえみの宿 滝の湯

山形県は、年間を通じて様々なフルーツが楽しめる「フルーツ王国」。そんな県内各地の美味しいフルーツや周辺観光スポットを、山形県内の学生たちによる「やまがたフルーツPR隊『YFP150』」(わいえふぴー いちごーまる)が取材し、その魅力を前編・後編にわたってお届けします!

第7回は、左沢高校の皆さん!後編では、天童温泉のユニバーサルツーリズムの取り組みについて、「ほほえみの宿 滝の湯」へのインタビューを通して伝えてもらいますよ★

ほほえみの宿 滝の湯

みなさんこんにちは!やまがたフルーツ㏚隊「YFP150」の、山形県立左沢高等学校総合学科2年次の冨樫涼香と1年次の深田凛です。

2025年9月14日(日)、私たちは、天童温泉が推進する「ユニバーサルツーリズム」について天童温泉の「ほほえみの宿 滝の湯」で取材をさせていただきました。


(1)天童温泉のユニバーサルツーリズムの取り組みと「ほほえみの宿 滝の湯」


 天童市では2021年から全ての人に天童温泉を楽しんでいただくために天童温泉を中心としたエリアにおいて、年齢や障がい等の有無にかかわらず、国内外の誰もが気兼ねなく温泉旅行を楽しめる地域を目指しています。

 具体的には、旅館や観光施設の一部をユニバーサルデザインに改修し、誰でも利用しやすいハード面の整備を進めています。

 このユニバーサルツーリズムの取り組みを「ほほえみの湯 滝の湯」ではどのように進めているのでしょうか。

 執行役員・経営企画部長兼予約管理室長の梅澤麗さんから説明していただきました。


(2)ユニバーサルデザインの採用・導入と「ほほえみの湯 滝の湯」のおすすめ施設


 ①「本館1階 源泉かけ流し貸切湯庵」

 もともとは中庭にあった施設を改修した貸切浴室です。通路はフラットに、余裕を持って作られています。 


 

  貸切湯庵の浴槽は「さくらんぼ」と「こま(将棋の駒)」をイメージして作られています。どちらも、大石田町次年子(じねんご)窯で作られた「やきもの」の浴槽。入るだけではなく、見て楽しいお風呂です。

「さくらんぼ」浴槽を見たときには思わず「うわあ」と声を挙げてしまったくらいかわいらしさを感じました。この浴槽は2つの実の大きさだけでなく、それぞれのお湯の温度が茎の部分を流れるときから違っています。これは、慎重な温度管理が必要な「やきもの」製の浴槽を守るための配慮であるとともに、お客様に異なる熱さのお風呂を同時に楽しんでほしい、という意味もあります。

「こま」浴槽は、将棋駒の形も含めてオーソドックスで渋い雰囲気。そこに、サポートが必要な方への補助器具が違和感なく常設されています。


 

 

付随するシャワールームには折りたたみ椅子や両脇からシャワーのお湯が出る可動式のバーが設置されており、無理のない姿勢で身体を洗うことができます。ゆったり感あふれる脱衣所の椅子や、オストメイト対応のお手洗いなど、すべての人に使いやすいように細やかな配慮がなされています。



②宿泊客の皆さまの朝食会場(バイキング形式)。


 

 

室内に入ってすぐに気づいたのがテーブルの高さ。「特別感を感じさせない」配慮がすてきです。車いすの人や子どもさんにとって、とても使いやすいと思います。食卓の脚も、その場で簡単に高さが調整できるようになっています。


③5階のプレミアムバリアフリールーム「The Prestige Twin 551」。

 

2024年に、ツインルーム2部屋を統合しバリアフリーに配慮した長期滞在用客室としてリニューアルされました。その広さと存在感に圧倒されます。



この部屋に入ると、ベッドルームはもちろん、浴室までそのまま車いすで移動することができます。また、この2つの空間が壁ではなく大きなガラスとカーテンで仕切られていることに気づき、「お風呂で何かがあったらベッドルームでそれを確認できて、すぐにかけつけられるようにしているのだな」と思いました。

 そのほかにも、スーツケース置き場の高さやクローゼットの配置など、一見何気なく見過ごしがちなところも、実際に使ってみるとすごく自然に動けて使いやすい設定になっていました。


④5階の「竜王の間」


 このレポートはユニバーサルツーリズムの紹介が主目的ですが、やはり天童市といえば「将棋の街」です。梅澤さんのご厚意で、プロ将棋のタイトル戦で何度も使用されている「竜王の間」を特別に見せていただきました。 

 私たちが行ったときは普通の客室としてセッティングされていましたが、畳の大きさが盤面を撮影するビデオカメラやその関連機材の設置を前提にしている、など「対局室」に特化した設計になっている部屋です。

 「ほほえみの湯 滝の湯」はタイトル戦の第6局か第7局の会場になることが多いため「一進一退の互角の勝負の末にタイトル獲得や防衛が決まる、注目の大一番」が行われる可能性が高いです。実際にこの部屋は、羽生善治さんが史上初の「六冠」を達成(1994年・竜王戦第6局)し、渡辺明さんが「永世竜王」の称号を獲得(2008年・竜王戦第7局)した現場です。これからも、名勝負が行われることを期待します。

 (藤井聡太さんがこの部屋でタイトル戦の対局をしたことはまだないので、その日が来るのも楽しみです。)


(3)「ほほえみの宿 滝の湯」の魅力

 とてもスケールが大きく豪華な雰囲気でした。それに加えて館内のどこにいってもどんな設備もわかりやすいし、その上、ゆとりとあたたかさとを感じて、安心できる旅館という印象を持ちました。温泉旅館というと、主に年配の方が利用されているという先入観がありましたが、「ほほえみの宿 滝の湯」には私たち高校生から見て映えるポイントが多く、若い人たちにも十分楽しんでもらえると思いました。

 それと、ユニバーサルデザインの設備や工夫はどの場所でもあたりまえなものとして、穏やかに、しかし力強い存在感を示していました。

 

(4)全体のまとめ


 

①今回私たちを案内していただいた梅澤さんのお話の中で、特に印象に残ったことを紹介します。

 梅澤さん「1階の貸切湯庵をユニバーサルデザインを取り入れて改修したときには、障がい者の方々から実際にうがかった意見を反映させています。しかし、単に機能的な面だけを整備したわけではありません。この湯庵には、温泉旅館の情緒や非日常性をどんなお客様にも楽しんでいただきたい、という私たちの思いを込めています。」


 これは、貸切湯庵だけでなく「ほほえみの宿 滝の湯」とそのユニバーサルツーリズムのコンセプト全体に当てはまると思います。


 梅澤さん「大きな温泉旅館というと、”行ってみたいけど、なんだかハードルが高い”と思われている方が多いかもしれません。でも、そういう方々に安心して使っていただけるように、私たちは日々の活動を積み重ねています。」


②私たちは「ユニバーサルデザイン」という言葉を知っていたし、意味もわかっているつもりでした。ただ、今までは正直なところ「それは、配慮が必要な方々のためのものだ」という、いわば他人事のように思っていたことも否めません。

 しかし今回「ほほえみの湯 滝の湯」さんでのユニバーサルツールリズムの取り組みと実践を目の当たりにして、私たちの考え方は変わりました。

 障がいのある方や高齢者の方にとって使いやすいしくみは、どんな人にとっても使いやすいのです。

 ユニバーサルデザインが無くしていくのは床の段座だけではなく、私たちの心のカベです。ユニバーサルツーリズムが広げていくのは通路やドアの幅だけではなく、私たちの心のゆとり・思いやりです。

 本県を代表する温泉街であり、海外からも多くのお客様をお迎えしている天童温泉でユニバーサルツーリズムがハード・ソフト両面で着実に進行することは、やまがたをより魅力的にしていくと思います。

 充実した設備とお客様へのおもてなしの気持ちを、丁寧に説明してくださった「ほほえみの湯 滝の湯」梅澤麗さんに、改めて深く感謝申し上げます。


※今回取材した「ほほえみの宿 滝の湯」に関する情報は、以下の「詳細を見る」をご参照ください。  


紹介したスポットをマップで見る

Google Mapの読み込みが1日の上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください

ページトップへ