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やまがたフルーツPR隊「YFP150」vol.2(後編)金山町街並み散策

山形県は、年間を通じて様々なフルーツが楽しめる「フルーツ王国」。そんな県内各地の美味しいフルーツや周辺観光スポットを、山形県内の学生たちによる「やまがたフルーツPR隊『YFP150』」(わいえふぴー いちごーまる)が取材し、その魅力を前編・後編にわたってお届けします!

第2回は、東北農林専門職大学 農業経営学科 果樹専攻の2年生の皆さん!後編では「金山町街並み散策」の魅力について伝えてもらいますよ★

金山町街並み散策

やまがたフルーツPR隊『YFP150』の、東北農林専門職大学農業経営学科 果樹専攻2年の大野雄二朗、奥山歩美、大本浩平、奈良昴です。


山形県金山町(かねやままち)は、美しい自然、統一された景観、温かい人々のつながりの中で、その時々で全く違う表情をもつ歴史深い街です。そんな魅力あふれる町で今回は私たち東北農林専門職大学の学生が地元のガイドさんと巡った金山町の観光スポット、美味しいスイーツの食べられるカフェ、そしてガイドさんに伺ったより金山を味わえるここだけの話など情報を盛りだくさんでお届けします。



金山町は、最上地域の北部にある人口およそ5,000人の小さな町です。町の南にはきれいな川「最上小国川(もがみおぐにがわ)」が流れ、東には奥羽山脈の山々が広がっています。春には新緑、夏は清流、秋には紅葉、そして冬には真っ白な雪景色と、四季折々でさまざまな表情を見せてくれる自然に囲まれた、心地よい場所です。


金山町の大きな特徴の一つが、美しい街並みづくりへの取り組みです。町の中心部には「金山型住宅」と呼ばれる特別なデザインの家が並んでいます。これは地元で育った「金山杉(かねやますぎ)」という木をたくさん使って建てられた家で、白壁と切り妻屋根(いわゆる三角屋根)をもつ、木のぬくもりが感じられる建物です。この住宅のおかげで町全体に統一感が生まれ、落ち着いた景観が広がっています。


金山杉はとても質が高く、建築材や家具としても人気があります。町では、こうした地域の資源を活かして、自然と共に生きる暮らしを大切にしながら、持続可能な産業を育てています。森林と人がつながり、共に暮らすスタイルが今も根づいているのです。


町の中には、自然とふれあえるスポットもたくさんあります。たとえば「大堰公園(おおぜきこうえん)」は、自然豊かで水のせせらぎが心地よい休憩スポットです。公園の中には、イギリスの女性旅行家イザベラ・バードの記念碑があります。彼女は1878年に金山町を訪れ、「ロマンチックな雰囲気の里」と称賛しました。今でもその言葉のとおり、自然と人の暮らしが調和した風景が残っており、静かでやさしい魅力が感じられます。



また、2002年には金山町が「第53回全国植樹祭(ぜんこくしょくじゅさい)」の開催地にも選ばれました。全国植樹祭は、毎年行われる森林や緑の大切さを伝える大きな行事で、天皇皇后両陛下も出席されました。金山町では「感じていますか、森があるしあわせ」というテーマをかかげ、町の人たちが力を合わせて式典や記念植樹を行い、自然の大切さを全国に伝えました。


このような行事が開かれたことは、金山町が「森と水」を大切に守っている町である証拠です。たとえば大堰公園にある「大堰」は、昔から町の風景や文化と合うように工夫して作られています。大堰は、雑割石(ざつわりいし)や穴あきブロックを使って作られており、自然の力を活かしたデザインになっています。このような作り方は、効率だけを考えて、コンクリート造りにするのではなく、自然との調和を大切にしてきた町の考え方をよく表しています。



金山町の取り組みは、自然と共に暮らすという生き方の良い見本です。町の歴史や思いは、単に景色を美しくするだけではなく、昔から未来へと続く「自然とともに歩む道」を描いているように感じます。


実際に大堰公園を訪れてみると、水の音や泳ぐ錦鯉、そしてイザベラ・バードの記念碑などから、町の人たちが自然を大切にしている気持ちがしっかりと伝わってきます。金山町は、人と自然が一緒に生きることの大切さを教えてくれる場所です。静かで落ち着いた時間の中で、「人と自然との本当の関係」について考えることができる、そんな貴重な体験ができる町なのです。


最後に紹介するのは、120年の歴史ある蔵のリノベーションカフェ、蔵カフェです。私たちはシフォンケーキやコーヒー、クリームソーダを頂きました。シフォンケーキはボリュームたっぷりで弾力があり、クリームがふわふわで泡立ちがとても良く、横の器のアイスクリームをのせて食べると最高級の味でした。上品ではあるけど誰でも楽しめるしつこくない甘さ。これが500円なのは驚きです!1000円は払えると思います。



店内のつくりは木が基本なのはもちろん、光の柔らかい陰と陽が織り交ざっており、遊び心ある小物があったり、きれいな花が置いてあったり…もともと蔵は、貴重品や商品、書類などを保管するための場所であり、暗くて寒く、人がくつろぐような空間ではありませんでした。

しかし、そんな蔵がカフェとして改装されることで、どこか懐かしさを感じる、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめる空間へと生まれ変わっていました。

特に夏場は、蔵ならではのひんやりとした空気が心地よく、涼しく快適に過ごせるのも魅力です。

静かな時間が流れる中で、まるで100年前の空気を肌で感じているような、そんな不思議な感覚に包まれながら、心あたたまるひとときを過ごすことができました。



金山町は、イザベラ・バードが感じた「ロマンチックな雰囲気の里」の精神を受け継ぎつつ、2002年の植樹祭、そして金山杉を活かした建築文化などによって、自然を尊び未来へつなぐ姿を示してきました。


大堰公園でせせらぎに耳を傾け、金山杉の木香を感じる街並みを歩く。これらはすべて、金山町が描く「自然と人の本当の関係」を考える貴重な体験です。そして金山杉は、その中心にあるシンボルとして、これからも大切に守られていくでしょう。

※今回取材した「大堰公園」に関する情報は、以下の「詳細を見る」をご参照ください。



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