初心者でも行ける滝トレッキング
落差5m以上の滝が大小230もある日本一の滝王国・山形。ここでは、旅行途中でも気軽に鑑賞できる滝や初心者でもハイキング感覚で見に行ける滝をご紹介。但し、初心者向けといっても滑りやすい場所が多い滝周辺、滑りにくい靴底のスニーカーや長靴などの装備はお忘れなく!!
【超初級】ドライブがてら普段着でもOKの名瀑
白糸の滝
最上川に一筋に流れる日本の滝百選のひとつ、白糸の滝。水が糸のように流れる白色と滝下にある赤い鳥居が対照的に映り、最上峡一の絶景ともいわれています。対岸にある国道47号線のドライブインから鑑賞できる超初級者向けの滝ですが、もっと近くで鑑賞したい方は、最上川舟下りに乗船して船上からの鑑賞がおすすめです。
【初級】片道約30分以内!ハイキングを楽しめる名瀑
関山大滝
巨大な岩肌を豪快に流れ落ちる広大な滝、関山大滝。国道48号線沿いのドライブインのすぐ裏手に位置し、ビューポイントまでは徒歩でわずか約1分。隠れたパワースポットとしても有名です。近くで鑑賞したい方は、赤い橋を渡って滝つぼまで行くこともできます。夏には川の水面に新緑が移り、イワナの姿が見えることも。冬には雪化粧した滝を気軽に見ることができます。
七ツ滝
幾筋にも分かれた流れが途中で一本にまとまり、一筋に滝つぼへ流れる七ツ滝。日本の滝百選に選定されています。ベストシーズンは秋の紅葉の時期。滝の周りに広がるオレンジ色に染まった木々と美しい滝の流れに圧倒されてしまうことでしょう。対岸にある七ツ滝公園がおすすめビュースポット。江戸時代には、湯殿山参りをする行者が滝に打たれて身を清めたと伝えられ、山岳信仰の歴史もある滝です。
玉簾の滝
県内随一高さ63mの直瀑、玉簾の滝。滝の近くには御嶽神社が祀られていて、山岳宗教の修験場だった面影が見え隠れします。滝つぼにまっすぐ流れるその勢いで、どんどんマイナスイオンが発生し、包み込まれてしまうかのよう。厳寒期の1月中旬~2月上旬には、滝が真っ白に凍り付く氷瀑に。毎年ゴールデンウィークやお盆の時期には、滝がライトアップされ、日中とはまた違った幽玄な雰囲気を感じることができます。
一ノ滝
一ノ滝までの道のりは遊歩道が整備され、渓流や草花が咲く風景を見ることができるので初心者向けトレッキングコースとして人気です。遊歩道の入り口・赤い鳥居をくぐりブナ林を歩くこと約5分。遊歩道を進むにつれ聞こえてくる轟音がその滝の姿を想像させてくれます。一之瀧神社の裏手にあるビュースポットでは、その轟音が最高潮に!断崖から滝つぼに一直線に流れ落ちる迫力満点の滝を見ることができます。
Column
足を延ばして、二ノ滝へ
一ノ滝からさらに遊歩道を歩いて約20分、二ノ滝に到着です。2つに分かれて落ちるその姿は、思わず見入ってしまうほどの美しさ。一方で、春の雪解けの時期は、膨大な量の水が流れる迫力満点の滝に姿を変えます。厳冬期には、滝が完全に凍り付き青白く輝く氷柱に。2月中旬頃開催されるトレッキングツアーに参加して、氷柱見学に出かけてみませんか。
山形でしか見れない!初心者向け「変わり滝」
くぐり滝
巨岩にぽっかり空いた穴の中を流れる全国的にも珍しい滝。長い年月をかけ水の力でできたドーナツ状の穴から流れ出る一筋の流れは、まるでアートのよう。春の雪解けや梅雨の時期には水量が増し、その穴が狭くなってしまいそうな流れに。夏には、天然ブナや水芭蕉が見頃を迎え、耳を澄ませば野鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえくる癒しスポットに変化します。
胴腹滝
鳥海山の伏流水が岩肌から湧き出し流れ落ちる胴腹の滝。この伏流水は名水として有名で、冬も凍ることがないので、一年中水汲みに訪れる人が絶えることはありません。杉林の中に佇む小さな杜をはさんで2つの滝があり、左の滝は冷たく、右の滝はまろやかで味が違うとか!?飲み比べてみたり、左右の水を混ぜてブレンドしたり、自分好みの名水を汲めることも人気のポイントです。
不動の滝(開運出世の滝)
古くから修験場として利用されていたことも多い滝は、パワースポットとして注目を浴びることもありますが、不動の滝は別名「開運出世の滝」と呼ばれ、荘厳な雰囲気に包まれています。ゴツゴツとせり出した岩肌を分岐しながら落ちていく美しい滝で、御瀧神社の裏手に回るとみることができます。県内随一の高さを誇る玉簾の滝に行く途中にあるので、ぜひ2つの滝を併せて巡ってみてください。
【上級以上】山形が誇る名瀑
滑川大滝
日本の滝百選の一つで東北地方でも最大級の滝です。滑川温泉近くの展望台からの羨望でも、充分なスケール感を堪能できます。
梅花皮の滝
世界百名瀑に数えられ、7段、総長270mになる滝です。梶川尾根にある滝見場からの遠望でも、その存在感の大きさを実感できます。
Column
滝めぐりを安全に楽しむために
すぐ近くまで車で行けるものもあれば、本格的な登山装備が必要なものまでさまざまです。自分のレベルにあった滝めぐりをお楽しみください。
【超初級】
観賞場所のすぐ近くまで車で行くことができ、駐車地から徒歩約10分以内。ドライブがてら普段着のままで楽しめる。
【初級】
車の駐車地から徒歩約30分以内。遊歩道や散策道が整備され、長袖、長ズボン、スニーカーなどの軽装備、ハイキング感覚で楽しめる。
【中級】
車の駐車地から徒歩約1時間以内。登山道が整備され、観賞場所までルートが明確。軽登山・トレッキングの服装や装備が必要。
【上級】
観賞場所まで徒歩1時間以上、または、所要時間に関係なく川を渡る「渡渉」や沢登り、崖登りなどが必要。ルートが明確でない箇所があり、藪こぎや迷う危険性がある。本格的な登山や沢登りの装備・技術が求められる。
【超上級】
上級の条件に加え、さらに危険度が高いため、登山や沢登りの高い技術と経験、装備が求められる。観光できるかどうか、市町村や地元山岳会へ確認が必要。