やまがたの美食美酒を味わう旅
旅行の楽しみといえば、観光地をめぐること、ご当地グルメを食べたり地酒を嗜んだりすることでしょう。
旅行には食事がつきものですよね。腹が減っては旅行もできません。
本記事では、山形の特産品から郷土料理・B級グルメ・日本酒・ワイン・地ビールなど幅広くご紹介します。
山形にはおいしい食べ物がたくさん。まずはなにがあるのかチェックしてみてくださいね。食い倒れのやまが旅もおすすめですよ。
まるでルビーのようなキラキラ輝く真っ赤な「さくらんぼ」
山形の初夏の味覚は、なんと言っても”さくらんぼ”。梅雨に雨が少なく昼夜の寒暖差がある山形県は、全国でも数少ないさくらんぼの適作地です。またさくらんぼの国内シェア7割以上とダントツのトップ。
「赤い宝石」と呼ばれ最高級品種の「佐藤錦」は、ハリがありながらやわらかい食感。口に入れればプチッと弾け、食べ応えのある果肉は甘みも抜群です。一粒一粒がツヤツヤ輝いてなんとも美しく、目にも美味しい一級品です。
2023年に本格販売された「やまがた紅王」は、山形県が生んだビッグなさくらんぼ。3L~4Lの超大粒です。500円玉よりも大きい実をほお張れば甘さが口の中いっぱいに広がりますよ。
さくらんぼ狩りは6月上旬から7月中旬頃。品種によっても旬は異なりますので、事前に農園にお問い合わせください。
とろりとなめらかな上品な甘さの種なし柿
果肉が緻密で糖度が高い「庄内柿」。種がなくて食べやすいのが特徴です。硬いときはシャキシャキした食感を、柔らかくなるとトロッとした甘さを楽しめます。
収穫は10月中旬~下旬に最盛期を迎え、晩秋から初冬にかけて干し柿が作られます。古民家の軒先に吊るされた干し柿、そんなノスタルジックな風景も山形では当たり前。生のままでも十分美味しい庄内柿ですが、干し柿にするとさらに甘さがアップして、まるで和菓子のような美味しさ。おみやげにも最適ですよ。
「山形で柿?」とピンとこない方も多いでしょう。一度ご賞味あれ。ファンになること間違いなし!
山形県民なら味付けで出身地がわかる?ソウルフード芋煮
山形の秋と言えば「芋煮」。さといもやねぎ・きのこ・ごぼう・牛(豚)肉など山形の旬の具材がギッシリと入った秋の鍋です。
最上川舟運の終着港で船頭たちが積荷で鍋をしたのが始まりとされ、各地域によって味付けや材料が異なります。庄内地方では豚肉で味噌味、置賜・村山地方では牛肉で醤油味、最上地方は豚肉で醤油味と土地柄が具材に現われます。
そのため、作り手がどこ出身なのかわかってしまうお料理でもあります。県民同士で芋煮の味付け論争も勃発するくらい愛されている郷土料理のひとつ。
また秋になると県内各地の河川敷は、芋煮会を楽しむ家族連れや団体で大賑わい。河川敷で火を使うこと自体が禁止の地域がある中、芋煮文化の山形県では当たり前の光景です。また、山形市では「日本一の芋煮会フェスティバル」が例年9月に開催され、直径6.5mの大鍋と専用のショベルカーを使い約3万食分の具材を煮込みます。大鍋から作られる芋煮は格別の味わいです。
山形県は各種ラーメン取り揃えてます
山形県は、村山・最上・置賜・庄内の4つの地域に分かれており、それぞれの地域に特徴的なラーメンがありますよ。
地 域 | 特 徴 |
村山地域 |
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最上地域 |
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置賜地域 |
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庄内地域 |
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その他、そば店が提供するラーメンや馬肉ラーメンなど、さまざまな種類のラーメンが楽しめますよ。
山形の自然が育む極上のそば
山形県はそば処として皆さんもご存じでしょう。地元はもちろん県外のそばファンからも支持を得ています。
老舗や名店が数多く存在しており、昔ながらの素朴な店構えや職人気質の主人による、伝統に培われた「打ち方」「茹で方」「つゆ」、素材へのこだわりなど、豊かで個性あふれた美味しさがあります。
そば街道として地区全体がそばで賑わうところもありますよ。
県内そばの主な種類
そばの種類 | 特徴・豆知識 |
板そば |
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冷たい肉そば |
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月山山菜そば |
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肉中華 |
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県内の多くのお蕎麦屋さんでは、蕎麦だけでなく肉中華や鳥中華というラーメンも取り扱っています。ご家族でお越しの際に蕎麦派かラーメン派で割れた場合はお蕎麦屋さんに行ってみるのはいかがでしょう。
しみしみのだし醤油が旨い!「玉こんにゃく」
「玉こんにゃく」は山形県民のソウルフード。だし醤油がしみ込んだこんにゃくに辛子をつけていただきます。
花見シーズンやお祭り、道の駅などで串に刺した状態で販売されており、手軽に歩きながら食べられます。山形のさむーい冬には持って来いの食べ物です。
古くは山寺(宝珠山立石寺)を開山した円仁和尚(慈覚大師)が、中国から持ち帰ったこんにゃくを寺の精進料理に使いはじめ、近隣住民に広まったのが始まり。山寺の本殿までの1015段の階段を登りきるために「力こんにゃく」としても人気です。山寺を訪れた際はチャレンジしてくださいね。
片手で食べれるお好み焼?「どんどん焼」
小麦粉をベースに魚肉ソーセージ、紅生姜、海苔というシンプルな具財を入れ焼き、箸に巻いたものが「どんどん焼」。このシンプルな味わいがどこか懐かしさを感じさせてくれます。山形県民ならお祭りなどで必ずと言っていいほど買ってしまうド定番フードです。
どんどん焼きの歴史は古く、戦前に大場亀吉氏が東京から山形に持ち帰り定着したそう。そのときは経木にのせて販売されており、子どもたちが熱くて持てないため、箸にくるくる巻いて熱くなく、片手でも持ち歩けるようになったとのこと。優しさから現在のファーストフードのような手軽さが生まれ、山形のどんどん焼きスタイルが確立しました。
今では、そのシンプルな味にトッピングでチーズやマヨネーズ、明太子などお店独自のメニューもたくさん出ています。そんな愛すべき山形の味もぜひ堪能してみてください。
ちなみにどんどん焼きの由来は、屋台で売り歩くときに、客寄せのために太鼓をドンドンと鳴らしながら売り歩いたため。なんともそのままなネーミングですが懐かしい味わいとマッチしていますね。
心まで染み渡る山形の美酒
山形と言えば、「酒」。米どころの庄内平野や豊かな雪解け水をもたらす山々など、酒造りのための自然環境が整っています。県内には51の酒蔵※があり、お酒の味のバリエーションも豊富でどれも個性的ですよ。
「洋食に合う和のお酒」というコンセプトで新製品を開発した酒蔵や、「ロゼのスパークリング日本酒」を製造する酒蔵もあります。そして、「吟醸王国」と呼ばれるほど吟醸酒の出荷割合が高いのも山形の日本酒の特徴です。
地酒造りの背景にある歴史や文化への理解を深めるほど、その味わいもまた深まります。見学・試飲ができる酒蔵や、資料館併設の酒造を巡り、山形の日本酒の奥深さに酔いしれましょう。
※2024年1月20日現在の状況です。
ぶどう栽培が盛んな山形の個性豊かなワインたち!
山形新幹線の車窓から山肌に広がるぶどう畑を望むことができるほど、山形はぶどう栽培が盛んな地。日本のワイン4大生産地(山梨・長野・北海道・山形)のひとつです。
ワイナリーが多くある山形県内陸部は、日あたりが十分にあり、水はけが良く、昼夜の寒暖差が大きく、成熟期に雨が少ないなど、ワイン用ぶどうの栽培に恵まれた条件が揃っています。
21のワイナリー※が独自に極めたワインたち。新酒テイスティングやぶどう収穫体験ツアーなどのワインイベントも開催されます。
ぶどうの産地・山形でワイナリーめぐりを楽しみましょう。
※2024年1月20日現在の状況です。
地ビール・クラフトビール・フルーツビールで乾杯
“国内観測史上最高気温”で74年間日本一だった山形。そんな山形の夏に飲むキンキンに冷えたビールは夏の暑さ、渇きを癒してくれますよ。
まだ知る人ぞ知る山形県のクラフトビールの世界。実はクラフトビールが熱いんです。
さくらんぼビールやラ・フランス、リンゴ、ぶどうなどの果物を原料としたフルーツビールに力を入れるブルワリーがあるのが山形ならでは。山形県の花「紅花」を使用したクラフトビールもあります。個性豊かなクラフトビールの中から自分好みの一杯を探してみてください!
またそんなビールたちのつまみに欠かせないアテもたくさんありますよ。庄内地域特産の「だだちゃ豆」や村山地方の郷土料理の「だし」を乗せた冷奴。
そろそろ山形へ行ってみたくなりましたか。
山形のおいしいものを食べ尽くそう!
THE定番のさくらんぼからソウルフード、地酒などたくさんのおいしいものが詰まった山形県。
豊かな自然が育む水で育った野菜や果物、肉・魚のどれをとっても美味しいです。
山形へお越しの際は、チャレンジしてみてください。