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芭蕉も訪れた屈指の名刹 山寺

松尾芭蕉の句『閑さや岩にしみ入る蝉の声』が詠まれた地として知られる東北有数の霊山・山寺(正式名称:宝珠山立石寺)。ここでは、山寺参拝の道順や見どころなどをご紹介します。

1.ブナ材建築日本最古のお堂 根本中堂

登山口を登ってすぐ正面にあるお堂・根本中堂。ブナ材建築の建物では日本最古といわれ、国の重要文化財に指定されています。堂内には、開山の際に比叡山延暦寺から分けられた不滅の法灯が現在もなお一度も消えることなく灯され、山寺を開山した慈覚大師作と伝えられる木造の薬師如来坐像が本尊として祀られています。

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芭蕉・曽良像と句碑

根本中堂と山門の間の参拝道にある芭蕉・曽良像。『奥の細道』の旅中、山寺を参拝した松尾芭蕉はいまでは多くの人が知るところとなった句『閑さや岩にしみ入る蝉の声』を詠みました。根本中堂と芭蕉像の間にはこの句の碑も建てられています。

芭蕉・曽良像と句碑

2.奥の院まで続く石段の玄関口 山門

鎌倉時代建造の茅葺屋根の門・山門。ここから奥の院まで続く石段は800段以上あります。受付は8:00~17:00まで。ここから本格的な山寺参拝に出発です。

※入山料:大人 300円、中学生 200円、小学生・幼児 100円。

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800段以上もある石段に挑む前に力をつけよう

山寺地域の玉こんにゃくは『力こんにゃく』と呼ばれており、山寺を参拝する前に食べると力が湧いてくるといわれています。

弾力のあるプリプリの触感と中までしみ込んだ醤油の旨味が口いっぱいに広がります。登山口から山門までにある茶屋などで食べられますので、ぜひご賞味あれ。

800段以上もある石段に挑む前に力をつけよう

3.芭蕉の句が埋められた地 せみ塚

山門から石段を15分ほど登ったところにせみ塚があります。『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の句が書かれた短冊を埋め、記念碑を建てた場所です。夏になれば、芭蕉も聴いたはずの蝉の声が参道のあちらこちらから聞こえてきます。

4.雨風に削られた岩肌 弥陀洞

せみ塚から仁王門の間にある弥陀洞(みだほら)は、岩が長い年月をかけて雨や風の自然現象によって削られ、直立した阿弥陀如来の姿に形作られたもの。その姿は、約4.8mにもなり、仏の姿に見ることができる人には、幸運が訪れるといわれています。

5.左右に安置される仁王像の睨みに注目! 仁王門

参道の中ほど山門から約20分の場所に位置する仁王門。ケヤキ造りの美しい門で、門の左右に安置された仁王像は仏師・運慶の弟子たちの作品と伝えられています。その迫力満点の表情は、見るものに畏敬の念を起こさせます。

6.参道の終点 奥の院・大仏堂

奥の院(正式名称:如法堂)は800段以上あった石段の終点。慈覚大師が中国での修行中持ち歩いたと伝わる釈迦如来と多宝如来を本尊として祀っています。如法堂の石段のそばにあるひときわ大きい灯籠は、日本三大灯篭のひとつと言われる金灯籠。龍などの細かい細工に注目してご覧ください。如法堂の左側には、高さ5mにもなる金色の阿弥陀如来像を祀る大仏殿があります。


※山寺では根本中堂や奥の院をはじめ、支院などでも御朱印をいただくことができます。奥の院では、紙での配布はありませんので、御朱印帳の準備をお忘れなく!

7.立石寺を開いた慈覚大師を祀る 開山堂

慈覚大師の木造尊像が安置され、今でも朝夕の食飯とお香を欠かさずお供えしているお堂。向かって左側の岩の上にある赤いお堂は、写経を納める納経堂で、山寺の中で最も古い建物と伝えられています。

8.山寺随一のビュースポット 五大堂

五大明王を祀り、天下太平を祈る道場・五大堂は、山寺随一のビュースポット。断崖に突き出すようにお堂が立ち、僧がかつて修行した断崖絶壁や麓に広がる門前町の様子を見ることができます。五大明王のエネルギーに満ちた五大堂からの絶景を眺めてみませんか。

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参拝後におすすめ!山寺芭蕉記念館

俳人・松尾芭蕉直筆の句を展示する山寺芭蕉記念館。館内では『奥の細道』の旅路について解説した映像や資料も展示されていますので、ぜひお立ち寄りを。山寺のほかにも、山形を40日余りも旅した芭蕉。芭蕉ゆかりの地を巡って一句詠んでみてはいかがでしょうか。


参拝後におすすめ!山寺芭蕉記念館

山寺参拝の順路・所要時間

山寺参拝の目安時間は往復で約1時間30分。石段は登山口から数えると全部で1,015段ありますので、スニーカーなどの滑りにくい靴を履いて参拝することをおすすめします。


【参拝の所要時間】

登山口 ⇒(約3分)⇒ 根本中堂 ⇒(約5分)⇒ 山門 ⇒(約15分)⇒ せみ塚 ⇒(約5分)⇒ 仁王門 ⇒(約15分)⇒ 奥の院・大仏殿 ⇒(約10分)⇒ 開山堂 ⇒(約1分)⇒ 五大堂

ライトアップが行われる期間も

毎年、7月下旬~8月中旬と10月下旬~11月初旬に期間限定で開催される山寺のライトアップ・光のロード。五大堂、開山堂、納経堂、釈迦堂がライトアップされ、暗闇の山の中に浮き上がる美しいお堂の様子を見ることができます。また、山寺駅から根本中堂までの参道には、約200個ものキャンドルが灯されます。ほのかな灯りが優しく揺らめくその参道の様子は、日中とはまったく違った幻想的な雰囲気に。秋のライトアップ期間は紅葉も見頃を迎えます。輝く夜の山寺に訪れてみませんか。

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