銀山温泉だけじゃない!レトロな町並み
山形県でレトロな町並みをいえば「銀山温泉」と答える方が多いはず。でも、銀山温泉だけじゃないんです!
ここでは、山形にあるレトロな町並みや建築物をご紹介します。
情緒あふれる空間で、タイムスリップしたような時間を過ごせるかもしれませんよ。
肘折温泉街
開湯1,200年以上の歴史がある湯治場、肘折温泉。狭い道路の両脇に建てられた旅館やお土産店、レトロな外観の旧郵便局、そして伝統工芸品の肘折こけしの職人技を見学できる工房と、どこか懐かしいあったかい雰囲気に包まれています。
温泉街の中心にある共同浴場 上の湯は、温泉街のシンボル。その他にも日帰り温泉施設や日帰り入浴可能な旅館があるので、温泉めぐりもおすすめ。おまんじゅうやお団子などの肘折温泉名物グルメを楽しみながら、レトロな温泉街散策にでかけてみませんか。
また、肘折温泉の名物「朝市」は、4月下旬~11月下旬の毎日開催。山菜や野菜などの旬の味覚はもちろん、売り子のお母さんたちとの会話も楽しみのひとつです。
楢下宿
参勤交代が行われていた江戸時代、各藩の老中や出羽三山詣での行者らで賑わっていた羽州街道の宿場町・楢下宿。江戸時代の旅籠建築がそのまま残る古民家が点在し、内部を公開している施設も。歴史を感じながら街歩きが楽しめます。
その中のひとつ「大黒屋」では、囲炉裏を囲んで地元のおばあちゃんたちが手作りした郷土料理を食べることができます(5名様より受付、5日前まで要予約)。ゆったりとした時間が流れる空間で味わう料理は、どれも絶品。集落の中心を流れる金山川にかかる石造りの橋「眼鏡橋」も見どころのひとつです。紅葉の見頃を迎える10月下旬~11月上旬には、より一層風情ある雰囲気に・・・。
お帰りの際には、楢下宿の入口にある「丹野こんにゃく」でお土産購入をどうぞ。
金山の街並み(大堰公園)
楢下宿とともに羽州街道の宿場町として栄えた金山町。今も古い建物や蔵が多く残り、当時の面影を感じることができます。その特徴は、白壁に黒やこげ茶色の切妻屋根、そして金山杉の下見板張り。自然と調和した美しい街並みが保存されています。
街の中心部を流れる大堰は、金山町のシンボル。石積みの水路の中には鯉が泳ぎ、大堰脇に整備された遊歩道や公園を散策するのにぴったり。
大堰から徒歩ですぐの場所にある「マルコの蔵」もおすすめです。新庄藩の譜代町人だった西田家の住宅と蔵を改装してオープン。町の特産品を展示販売するショップや木のぬくもりで居心地抜群なカフェが併設され、西田家に伝わる人形や金山町の街並みづくりの資料なども展示されています。
山形県郷土館 文翔館
1975年(昭和50年)まで山形県庁舎及び県会議事堂として使用されていた文翔館。
英国近世復興様式を基調にした建物はレンガ造り。文翔館のシンボルでもある旧県庁舎の時計塔は、現在も稼働中です。石貼りの壁面と今も時を刻む塔時計が見える外観は、重厚感ある佇まいです。建物内部に入ると、まず目に飛び込んでくる玄関ホールと階段は、まさに西洋建築の情緒が漂いレトロ感満載。階段の手すりや各部屋の天井や床など、見事な装飾があちらこちらに施されています。
また、文翔館から徒歩で約15分圏内の七日町には「水の町屋 七日町御殿堰」や「山形まるごと館 紅の蔵」といったレトロな外観のスポットもあるので、文翔館を起点に町歩きをしてみてはいかがですか。
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山形市郷土館 旧済生館本館
桜の名所としても知られる霞城公園内にある山形市郷土館 旧済生館本館は、病院として使用していた建物を移築し公開しています。日本の職人が欧米の建築を真似て建築した擬洋風建築が特徴。1層目を中心に14角形のドーナツ型の回廊に囲まれた建築形態は大変珍しいものです。
致道博物館 旧鶴岡警察署・旧西田川郡役所
致道博物館には、重要文化財に指定されている建築物がいくつも移築され展示されています。その中でも擬洋風建築でレトロな佇まいな建物が旧鶴岡警察署と旧西田川郡役所。
旧鶴岡警察署は、外観の窓廻りにルネッサンス様式、屋根や破風の妻飾りの在来様式がコラボレーションした建物で、重々しく立派な姿が警察署の威厳を表しているよう。中央玄関に突出したバルコニーと棟屋・時計台が特徴の西田川郡役所は、玄関ポーチの柱や釣り階段などにルネッサンス様式が施され、文明開化の時代を象徴しているかのようです。
その他にも、旧荘内藩主御隠殿や国の指定名勝に指定されている酒井氏庭園、茅葺屋根の民家・旧渋谷家住宅など、貴重な建築物が展示されています。
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大寶館
致道博物館に隣接する鶴岡公園内にある大寶館もおすすめ。ルネッサンス風のドームが乗った赤い屋根と白い壁が美しい、大正初期に建設された洋風建築物。春には桜、冬にはライトアップなど、季節によってまた違った風景を見せてくれます。
上杉伯爵邸(上杉記念館)
米沢城二の丸跡に上杉家14代茂憲(もちのり)伯爵の本宅として建てられた上杉伯爵邸。現在残る建物は、1925年(大正14年)に再建されたものです。総ヒノキの入母屋造りの建物は、純日本風で気品ただよう落ち着いた佇まいです。
現在は上杉記念館と呼ばれ、一般公開しています。館内は、米沢伝統の郷土料理 献膳料理や米沢牛が味わえるレストランと抹茶や和デザートが楽しめる甘味喫茶。貴重な建物の中で、米沢の伝統ある食文化を体験しながら、ゆったりと過ごしませんか。
正門脇にある和風カフェでは、米沢織の着物や甲冑などの衣装がレンタルできます(2日前まで要予約)。着物を来て、上杉伯爵邸のお庭や米沢市内の観光スポットで記念撮影はいかがですか。