【2025年版】やまがた雛のみち
山形県村山地域では、地域の歴史と文化を感じられる「やまがた雛のみち」として、ひなまつり関連の行事が数多く開催されます。
村山地域は、紅花貿易で栄えた商家が上方から取り寄せた華やかな雛人形が多く残る、日本遺産「山寺と紅花文化」の息づく地。
春を迎える風物詩として、自宅や蔵を開放して公開される雛人形や、ひな市でのにぎわいは、東北の寒い冬から暖かな春への移ろいを感じさせます。
露店が立ち並び、地域全体が春色に包まれるひなまつりの魅力を、ぜひ、体験してみてください。

河北町紅花資料館で出会う時代雛|谷地ひなまつりも開催!

山形県河北町にある「河北町紅花資料館」。近郷随一の富豪であった堀米四郎兵衛の屋敷跡です。昭和59年に「紅花資料館」として開館し、平成30年には日本遺産「山寺と紅花」の構成文化財として認定されました。
ちなみに紅花は山形県の県花でもあります。その紅色は鮮やかで見る人を魅了します。そんな紅花の歴史や文化に関する展示が数多くあるのが資料館の特徴。
2月から4月にかけて、資料館ではおひな様を展示します。実は資料館のある河北町谷地地区では、ひなまつりは4月上旬。少し遅く感じられるかもしれませんが、500年もの前から谷地では、毎月18もの市が立ち、大変な賑わいを見せていたそうです。
そのうち、谷地城主白鳥十郎長久公が開いた旧暦3月2日の市が、ちょうど雛の節句にあたり、それが現在の「谷地ひなまつり」として河北町民に親しまれている所以です。今年の谷地ひなまつりは、3月29日・30日。6ヶ所で時代雛を公開します。
その賑わいも見どころですが、特に注目したいのが資料館の享保雛です。享保雛の特徴である、面長で優美な顔立ちはもちろん、大きさに圧倒されます。
なんと男雛で高さ65cm。倹約令が発令する以前のもので豪華絢爛を極めた雛を、ぜひじっくりとご覧ください。
その他、立雛、元禄雛、芥子雛、有職雛、次郎左衛門雛、古今雛など、時代ごとに変化した雛人形を通じて、日本の歴史を垣間見ることができます。
ぜひ、家族やご友人とおひな様のお顔やお召し物をみながら、その時代に込められた、女の子たちへの健やかで幸せな生活を願う、親心を感じてみてくださいね。
谷地ひなまつりの詳細は公式サイトでご確認ください。
開催期間:2025年2月14日(金)~4月8日(火)
開催時間:9:00~17:00(最終受付16:30)
定休日:毎月第2木曜日
開催場所:河北町紅花資料館
入館料:大人400円/高校生150円/小中学生70円
住所:山形県河北町谷地戊1143
アクセス:山形空港から車で10分|寒河江駅から車で15分
問合せ先:河北町紅花資料館
TEL:0237-73-3500
山形まるごと館 紅の蔵で楽しむひなまつり

山形市の中心部に位置する「山形まるごと館 紅の蔵」は、紅花商人・マルタニ長谷川家の蔵屋敷を活用した観光複合施設。地元の食や特産品、伝統文化を発信し、観光客や地元の人々に親しまれています。
ここでは、2月15日(土)から3月27日(木)の間、ひな人形が展示されます。享保雛や御殿雛など、時代ごとに異なるひな人形の優雅な姿を楽しめ、細部までこだわった豪華な装飾や、時代によるお顔立ちやお召し物の変遷を間近で観察できる貴重な機会となるでしょう。
また、「ほほえみの会」の皆さんによる手作りの吊るし雛も展示。色鮮やかな布で作られた吊るし雛が会場を彩り、華やかで温かみのある雰囲気を醸し出します。
紅の蔵には、地元の新鮮な農産物や特産品がそろう直売所、山形の美味しい食材を楽しめる食事処も併設されています。展示を楽しんだ後は、お土産選びやグルメも満喫できるのが魅力の一つ。
山形の春を彩る「山形まるごと館 紅の蔵」のひなまつりで、伝統の美しさを感じながら特別なひとときを過ごしてみませんか。
開催期間:2025年2月15日(土)~3月27日(木)
開催時間:10:00~18:00(最終日のみ15:00まで)
開催場所:山形まるごと館 紅の蔵
入館料:無料
住所:山形県山形市十日町2-1-8
アクセス:JR山形駅から徒歩10分|JR山形駅から100円循環バス「十日町紅の蔵前」下車
駐車場:乗用車50台(無料)
問合せ先:山形まるごと館 紅の蔵
TEL:023-679-5101
歴史と伝統に触れる 古澤酒造資料館のひなまつり

山形県寒河江市にある「古澤酒造資料館」は、1836年(天保7年)創業の老舗酒蔵「古澤酒造」が運営する資料館。紅花商人でもあった古澤家が、寒河江の恵まれた気候風土を活かし、長年にわたり酒造りを継承してきた歴史を今に伝えています。
1917年(大正6年)に建てられ、1983年(昭和58年)まで実際に酒造りが行われていた建物を活用したこの資料館では、貴重な酒造りの道具を展示しています。昔ながらの酒造りの様子を伝えています。
また、館内では古澤酒造自慢の銘酒「澤正宗」をはじめ、ここでしか味わえない限定酒の試飲が楽しめるコーナーも人気。資料館限定酒やオリジナルグッズの販売もあり、お土産選びにも最適です。
そんな歴史と伝統が息づく古澤酒造資料館では、3月1日(土)から5月6日(火)まで、寒河江雛まつりの第2会場として華やかなひな人形の展示を行います。
古澤家に伝わる格式高いおひな様をはじめ、寒河江市内に受け継がれる貴重なひな人形が館内を彩ります。
寒河江市はかつて徳川幕府の天領だった歴史を持ち、その気高く美しいおひな様は、格式の高さを感じさせる逸品ばかり。現代の華やかなおひな様と、歴史の重みを感じる伝統的なひな人形を一度に鑑賞できる貴重な機会になるでしょう。
寒河江雛まつりの各会場ごとに異なる魅力を楽しみながら、歴史と文化に触れる旅をしてみてはいかがでしょう。
開催期間:2025年3月1日(土)~5月6日(火)
開催時間:10:00~16:00
入館料:無料
住所:山形県寒河江市丸内3-5-7
アクセス:JR寒河江駅より徒歩約10分|山形自動車道 寒河江ICより約10分
駐車場:あり
問合せ先:古澤酒造資料館
TEL:0237-86-5322
楢下宿「山田屋」の雛祭り ― 江戸時代の風情とひな人形の美

山形県上山市の歴史ある宿場町・楢下宿に佇む「山田屋」。2月23日(日)から3月31日(月)まで、華やかな雛祭りが開催されます。「かみのやまの雛祭り 2025」の一環として行われ、江戸時代から続く貴重なひな人形を間近で鑑賞できる絶好の機会。
上山市には、江戸時代中期以降に流行した享保雛や古今雛などが多く残されており、これらは最上川の舟運や陸路を通じて京や大阪から運ばれました。楢下宿「山田屋」では、地域に伝わる雛人形約300体を展示し、その優雅な姿を楽しめます。
さらに、地元の方々から寄贈された華やかな花嫁衣装も展示され、当時の暮らしや美意識を感じられる貴重な機会となっています。
楢下地区の雛人形は、一体一体が桐箱に収められているのが特徴で、長年にわたり大切に受け継がれてきたことがうかがえますね。
また、2月23日〜24日、3月1日〜2日、3月8日〜9日の10時から15時までは、地元「ばあちゃんずくらぶ」による湯茶接待が行われ、温かいおもてなしを体験できます。さらに、展示されている花嫁衣装を着用し、写真撮影を楽しむことも。
楢下宿は、かつて羽州街道の宿場町として栄えた場所。歴史情緒あふれる宿場町で、優雅な雛人形とともにひと足早い春の訪れを感じてみませんか。
開催期間:2025年2月23日(日)~3月31日(月)
※2月23日~24日、3月1日~2日、3月8日~9日の10時から15時まで、
おもてなしのお茶をお出しします。
開催時間:9:00~16:45
定休日:ひな祭り期間中は休館日なし
開催場所:楢下宿 山田屋
入館料:無料
住所:山形県上山市樽下56
アクセス:JRかみのやま温泉駅より車約15分|東北中央自動車道 山形上山ICより約20分
駐車場:あり(大黒屋駐車場をご利用ください。山田屋まで徒歩約2分)
問合せ先:(一社)上山市観光物産協会
TEL:023-672-0839
圧巻の1500体!村山市・段々ロングな雛まつり

山形県村山市で毎年開催される「段々ロングな雛まつり」は、1500体ものひな人形が並ぶ圧巻の展示が魅力のイベントです。村山市は「バラのまち」としても知られていますが、この時期は華やかなひな飾りにご注目ください。
段々ロングな雛まつりの魅力のひとつは、幅13.5m、高さ2.2m、八段の巨大な雛段。それぞれ異なる表情や衣装をまとったひな人形が時代や文化を超えて一堂に会した光景はまさに壮観です。
端から端までじっくり眺めると、個性豊かな人形たちの魅力を堪能できるでしょう。また、地元の子どもたちが手作りした可愛らしいひな人形の展示もあり、心温まる光景が広がります。
ちなみに村山市のひな文化は、江戸時代から続く「楯岡ひなまつり」の伝統を受け継いでおり、かつては各家庭で人形を飾り、親戚や近所の人々と祝う風習がありました。それから時が経ち、段々ロングなひなまつりが誕生します。
この祭りが誕生した背景には、地域活性化への願いが込められています。人口減少と高齢化が進む中、ひなまつりの目玉イベントとして企画され、今では、村山市の春を告げる風物詩として親しまれています。
土日には露店やキッチンカーも出店しますので、ぜひ、ご友人やご家族と遊びにきてみませんか。
開催期間:2025年2月27日(木)~3月9日(日)
開催時間:平日▸11:00~15:00
土日▸10:00~16:00
開催場所:村山市民会館 小ホール
入館料:無料
住所:山形県村山市楯岡笛田2丁目6-1
アクセス:東北中央自動車道村山ICより車で約10分
駐車場:あり
問合せ先:村山市商工観光課
TEL:0237-55-2111
天童織田の里歴史館の雛祭り ― 歴史と文化が彩る天童の春

山形県天童市にある天童織田の里歴史館では、2月1日(土)から3月20日(木・祝)まで、春の訪れを告げる「第30回天童の雛飾り」を開催します。
この企画展では、天童に受け継がれてきた貴重な雛人形を展示し、華やかな雛祭りの文化を楽しめます。
天童市は、江戸時代中期以降、最上川の舟運や羽州街道を通じて京や江戸の文化が流入し、雛飾りの風習が根付いた地。本展では、元禄雛や享保雛をはじめ、江戸時代に作られた古今雛、庶民に親しまれてきた押絵雛や土雛など、多彩な雛人形や雛道具を間近で鑑賞できます。
また、30回目の節目となる今回は、日本初のレコード歌手として知られる佐藤千夜子の御殿飾りや舞台衣装も特別展示。天童市出身の彼女の歴史的資料とともに、音楽と雛祭りの文化が融合した展示を楽しめるでしょう。
天童織田の里歴史館は、かつて東村山郡役所として建設された歴史ある建物で、現在は天童織田藩や明治維新前後の貴重な資料を展示する施設として親しまれています。昭和60年に再建されましたが、漆喰壁や瓦屋根、ステンドグラスなど、明治時代の趣をそのままに残しています。
歴史と伝統が息づく天童の雛飾りを訪れ、雅やかな日本の美を堪能してみませんか。
開催期間:2025年2月1日(土)~3月20日(木・祝)
開催時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:月曜日(祝日、振替休日の場合は翌日)
開催場所:天童織田の里歴史館
入場料:大人220円/高校生110円/中学生以下無料(障がい者半額)
住所:山形県天童市五日町2-4-8
アクセス:天童駅徒歩15分
駐車場:あり
問合せ先:天童織田の里歴史館
TEL:023-653-0631
東根市・梅ヶ枝清水の雛祭り ― 名水と歴史が彩るひな人形展

山形県東根市の歴史ある古豪の里に佇む「郷土料理 梅ヶ枝清水(めがすず)」では、1月23日(木)から4月3日(木)まで、華やかな雛祭りが開催されます。
趣のある旧家・横尾家に伝わるひな人形や掛け軸が展示され、風情ある空間の中で雛飾りを楽しめます。
梅ヶ枝清水(うめがえしみず)は、2024年度「里の名水・やまがた百選」に選ばれた名水が湧き出る泉。「うめがえしみず」が訛って「うめがすず」「めがすず」とも呼ばれています。
ここは、第八代東根城主の弟・広台殿の奥方、梅ヶ枝姫にまつわる悲しい伝説が残る泉としても知られています。歴史ある日本家屋と美しい庭園が広がる敷地内で、江戸時代から伝わるひな人形を鑑賞しながら、東根の文化に触れてみてはいかがでしょう。
さらに、名物女将「千代乃おばあちゃん」が迎えてくれるのも、魅力のひとつ。温かいおもてなしとともに、地元の郷土料理を味わいながら、優雅な雛祭りを堪能してください。
東根の歴史と伝統に触れながら、名水とともに楽しむひな人形展。ぜひ、この春に訪れてみてください。
開催期間:2025年1月23日(木)~4月3日(木)
開催時間:10:00~16:00
定休日:水曜日
開催場所:郷土料理 梅ヶ枝清水
入館料:無料
住所:山形県東根市本丸東2-27
アクセス:さくらんぼ東根駅より車で約10分
駐車場:あり
問合せ先:郷土料理 梅ヶ枝清水
TEL:0237-42-0589
芭蕉、清風歴史資料館 ― 豪商の歴史と華やかな雛飾り

山形県尾花沢市にある「芭蕉、清風歴史資料館」では、2月20日(木)から4月8日(火)まで、企画展「尾花沢のおひなさま」を開催。
尾花沢市に伝わる貴重な時代雛や土雛人形、豆人形のひな飾りを一堂に展示し、江戸時代から続く雛祭り文化を体感できる特別な機会です。
この資料館は、「おくのほそ道」の旅で松尾芭蕉が10日間滞在したことで知られる豪商・俳人の鈴木清風に関する貴重な資料を展示しています。
建物自体も江戸時代末期の町家建築を移築・復元したもので、紅花交易で栄えた尾花沢の歴史を今に伝えています。館内では、芭蕉と清風の交流を示す史料や、江戸時代の商業文化を学べる展示も楽しめます。
この歴史ある資料館で開催される「尾花沢のおひなさま」展では、江戸時代から大切に受け継がれてきた雛人形が並び、当時の華やかな暮らしを垣間見られるでしょう。
昔ながらの町屋構造を活かし、享保雛・古今雛・芥子雛・有職雛・押絵雛・御殿飾りなどの時代雛、尾花沢独特の豆人形の雛人形を展示します。
相良人形・成島人形・平清水人形・鶴岡瓦人形・鵜渡(うど)河原人形などの県内の土人形、堤人形・三春人形・中山人形・八橋(やばせ)人形などの、東北の庶民に親しまれた雛人形も展示。
時代を超えて愛される雛人形の魅力を、ぜひ間近でご堪能ください。
開催期間:2025年2月20日(木)~4月8日(火)
開催時間:2月まで▸9:30~16:30
3月から▸9:00~16:30
定休日:水曜日(祝日の場合は翌日)
開催場所:芭蕉、清風歴史資料館
入館料:大人210円/学生100円/中学生以下無料
住所:山形県尾花沢市中町5-36
アクセス:大石田駅よりバス(尾花沢行)「中町」下車 - 徒歩3分
駐車場:あり
問合せ先:芭蕉、清風歴史資料館
TEL:0237-22-0104
Column
鈴木清風は「紅花大尽」と称された豪商で、その商才と豪快な逸話が今も語り継がれています。
元禄11年には江戸の商人たちの不買同盟を巧みに打破し、大きな利益を得ました。
また、その財を惜しみなく使い、吉原の遊女たちに休息を与えたという豪胆な振る舞いも伝えられています。

京文化の名残を感じる「やまのべ雛飾り」

山形県山辺町にある「山辺町ふるさと資料館」は、江戸時代に紅花や青苧(あおそ)を扱い、商業で繁栄した佐藤清五郎家の敷地に設立されました。
館内には、町指定文化財の浄瑠璃人形をはじめ、紅花染めの衣装や織物など、山辺町の歴史と文化を今に伝える貴重な資料が展示されています。
特に、「紅花染め衣装」は2018年に日本遺産に認定された「山寺が支えた紅花文化」の構成文化財のひとつ。毎年一度の公開を楽しみにしているファンも多く、山形の伝統文化に触れる貴重な機会となっています。
また江戸時代、最上川舟運によって京文化が山形にもたらされた歴史を今に伝えるのが、山辺町ふるさと資料館で開催される「やまのべ雛飾り」。艶やかな衣装をまとった雛人形は、華やかな京文化の名残を感じさせ、訪れる人々を優雅な時代へと誘います。
最上川舟運によって山辺にもたらされた雛人形たちは、当時の飾り方や小道具まで忠実に再現され、その時代ごとの文化や生活の様子を感じ取ることができます。
特に、寛永雛や享保雛といった古い時代の雛人形は必見。細部にまでこだわった精巧なつくりや、美しい衣装に込められた職人の技を間近で堪能してみてはいかがでしょう。
この春、山辺町で華やかなお雛さまを愛でながら、歴史と文化に触れる特別な時間を過ごしてみませんか。
開催期間:2025年2月25日(火)~3月23日(日)
開催時間:10:00~16:00
定休日:毎週月曜日、祝日
開催場所:山辺町ふるさと資料館
入館料:大人200円/学生100円/中学生以下50円
住所:山形県山辺町大字山辺208-1
アクセス:羽前山辺駅より徒歩5分
駐車場:あり(15台)
問合せ先:山辺町ふるさと資料館
TEL:023-664-5033
旧柏倉家住宅で楽しむ華やかなひなまつり

山形県中山町にある重要文化財・旧柏倉家住宅(九左衛門家)では、毎年春の訪れとともに「柏倉九左衛門家ひなまつり」が開催されます。かつてこの地で繁栄を極めた柏倉一族に伝わる豪華な雛飾りが一堂に会し、歴史と文化を感じながら優雅なひとときを楽しめる特別なイベントです。
旧柏倉家住宅は、江戸時代から続く上層農家の格式を今に伝える貴重な建築物。精緻な内装が施された主屋、春慶塗で彩られた蔵座敷、金箔や漆塗りが施された仏間など、館内を巡るだけで歴史の重みを感じられるでしょう。
柏倉家の当主は代々「九左衛門」を名乗り、地域を代表する大地主として繁栄してきました。江戸時代には最上川舟運や北前船を活用し、紅花をはじめとする農作物の生産・流通を手掛け、村山地方屈指の豪商としても知られています。現在では、かつての紅花畑が復活し、夏には「紅花まつり」を開催しており、美しい花々が一面に広がります。
柏倉九左衛門家ひなまつりでは、九左衛門家をはじめとする柏倉一族のひな飾りが、旧柏倉家住宅、ほか3会場で公開されます。雛人形は江戸時代から代々受け継がれてきたもので、華やかで細やかな衣装が特徴。
最上川舟運によってもたらされた京文化の名残を感じさせる雛人形たちは、春の訪れを祝うにふさわしい華やかさを醸し出します。
ぜひ、歴史と文化が息づく柏倉4家を巡って、豪華な雛飾りとともに春の訪れを感じてみてはいかがでしょう。
開催期間:2025年3月20日(木・祝)/3月22日(土)/3月23日(日)
開催時間:10:00~16:00(最終入場15:30)
開催場所:重要文化財 旧柏倉家住宅(九左衛門家)ほか3会場
入館料:大人500円/中学生以下無料(旧柏倉家のみ、ほか無料)
住所:山形県中山町大字岡8(旧柏倉家住宅)
問合せ先:中山町教育委員会教育課生涯学習グループ(文化財担当)
TEL:023-662-2175
玉貴のひなまつりとひな膳

山形県西川町に佇む「清流庭園 山菜料理 玉貴」では、毎年2月から4月にかけて「ひなまつり」が開催されます。50年以上の歴史を持つこの料理店は、地元の山の幸を活かした料理と、日本の伝統文化を五感で楽しめる特別な場所。期間中は、貴重な雛人形の展示と、華やかな「ひな膳」を味わうことができます。
展示される雛人形は、享保雛・有職雛(高倉雛)・紙雛(立雛)・次郎左衛門雛など、日本各地で受け継がれてきたさまざまな様式が揃います。
さらに、日本三大つるし雛の一つである「酒田の傘福」も飾られ、優雅で華やかな雰囲気に包まれます。歴史と文化を感じながら、繊細な職人技を間近で堪能できる貴重な機会となるでしょう。
また、期間中には「ひな膳」(要予約)が提供されます。地元の新鮮な食材をふんだんに使い、山菜の風味を活かした料理は、ひなまつりの祝いにふさわしい上品な味わい。美しいひな人形を眺めながら、伝統の味をゆったりとお楽しみください。
玉貴の敷地内では、風情ある石畳の道が続き、四季折々の風景が楽しめる庭園が広がります。茶室「玉蘭亭」の静寂な空間では、寒河江川のせせらぎに耳を傾けながら、日本の美を存分に感じることができます。
春の訪れとともに、伝統美と自然が調和する空間で、特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。
開催期間:2025年2月1日(土)~4月中旬
開催時間:15:00~17:00(要予約)
定休日:毎週水曜日
開催場所:清流庭園 山菜料理 玉貴
見学料:大人1,500円/小中高大生1,000円/幼児800円
住所:山形県西川町間沢80-1
アクセス:山形自動車道西川ICから車5分
駐車場:あり(100台)
問合せ先:清流庭園 山菜料理 玉貴
TEL:0237-74-2364
玉貴雛祭り・雛流し
最上川舟運が育んだ歴史 ― 大江のひなまつり

山形県大江町は、最上川舟運の中継地として栄えた歴史を持ち、原町や中央通り商店街の町並みは商家や造り酒屋が建ち並ぶ町。今なお往時の隆盛を物語っています。
これらの街並みが平成25年3月に風景の国宝ともいわれる国の重要文化的景観に選定されました。ひなまつり期間中は貴重な建物の中でおひな様を見られ、舟運時代の繁栄ぶりを偲ぶことができるでしょう。
メイン会場となる「清野太家」「岡田文治家」では、江戸時代後期に流行した優美な「古今雛」などを、歴史ある家屋の中で展示。さらに「大江町立歴史民俗資料館」「お休み処 錦庵」でも、それぞれ趣の異なる雛飾りを楽しめます。
≪中学生以下限定!お菓子プレゼント≫
雛展示会場(町内個人宅2会場、資料ヶ、お休み処錦庵)の4ヶ所で、中学生以下のお子さん先着30名に町内菓子店の銘菓をそれぞれ1個ずつプレゼント。
各会場でお菓子は違いますので、全ての会場を回って4種類のお菓子をGETしてみてくださいね!
開催期間:2025年3月29日(土)、30日(日)
開催時間:10:00~15:30(受付は15時まで)
開催場所・入館料↓
≪お雛様の展示≫
展示会場
①町内個人宅(清野家、岡田家)
受付時間:午前10時~午後3時(午後3時30分終了)
料金:各会場300円、中学生以下無料
②大江町立歴史民俗資料館
受付時間:午前10時~午後3時(午後3時30分終了)
料金:大人100円、学生50円、中学生以下無料
③お休み処 錦庵
受付時間:午前10時~午後3時(午後3時30分終了)
料金:無料
※あたたかい甘酒のふるまいがあります。
住所:山形県西村山郡大江町大字左沢
問合せ先:大江町観光物産協会
TEL:0237-62-2111
ひいなの隠れ里・大石田ひなまつり ― 舟運が伝えた優美な伝統

山形県大石田町では、2月8日(土)から4月3日(木)まで「大石田ひなまつり」が開催されます。
かつて最上川舟運の要所として栄えた大石田町には、京都や大坂から運ばれた優美な雛人形が多く伝わっています。その歴史を受け継ぎ、町の文化とともに雛飾りを楽しむ催しです。
江戸時代、大石田は西廻り航路の発展により、米や紅花を京阪へ送り出す拠点として重要な役割を果たしました。その帰り荷としてもたらされた「享保雛」や「古今雛」は、町の各家庭で大切に受け継がれてきました。1990年代には雛人形研究家・藤田順子氏による調査をきっかけに、「ひいなの隠れ里」として全国に紹介され、数多くの来訪者を迎えています。
かつては、町の各家庭を巡りながら雛飾りを見学する「おひなみ」という形式で行われていましたが、2025年は大石田町立歴史民俗資料館での展示となります。館内には、江戸時代から続く貴重な雛人形が並び、大石田ならではの歴史や文化を感じられるでしょう。
また、資料館では、齋藤茂吉や金山平三、小松均といった大石田ゆかりの文学者・芸術家の作品も展示されており、郷土の魅力を深く知ることもできます。さらに、日本遺産「山寺と紅花」に関連した企画展も開催され、紅花交易の歴史とともに大石田の文化を学べます。
舟運の歴史が息づく大石田町で、日本の伝統美を感じる「大石田ひなまつり」。江戸時代から続く雛人形の優雅な姿を、ぜひこの機会にご覧ください。
開催期間:2025年2月8日(土)~4月3日(木)
開催時間:10:00~16:30
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日の火曜日)
開催場所:大石田町立歴史民俗資料館
入館料:大人200円/高校・大学生150円/小中学生100円
※20名以上団体割引あり
住所:山形県大石田町大字大石田乙37-6
アクセス:JR大石田駅から徒歩10分
駐車場:あり
問合せ先:大石田町立歴史民俗資料館
TEL:0237-35-3440
Oishida Ohinasama
舟運文化がもたらした村山地方で出会うおひな様

山形県の中央に広がる村山地方。この地は、最上川舟運によって上方文化がもたらされ、地元の伝統と融合しながら独自の雛文化を育んできました。各地に残る享保雛や古今雛は、時代を超えて愛され、ひとつひとつに家族の想いが込められています。
おひな様の表情や衣装は実に多彩で、それぞれが語る物語があります。親が子を思う気持ちと、森羅万象の考えが織りなすこの文化は、まさに日本の美意識の結晶といえるでしょう。
春の訪れを告げる村山地方の雛めぐり。ぜひ、ご家族やご友人とともに、歴史とぬくもりを感じる旅へ出かけてみてください。