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世界が認めた霊山を歩く「出羽三山参り」

江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」ともいわれ、「お伊勢参り」とともに人気を博した「出羽三山参り」。

羽黒山、月山、湯殿山へそれぞれ参拝するのが正式な参拝コース。

ここでは、日帰りで行ける羽黒山コースから、本格的な山伏修行体験まで、出羽三山のめぐり方を幅広くご紹介します。

また出羽三山は、羽黒山は現世の、月山は前世の、湯殿山は未来の幸福を願う地とされていることから、出羽をめぐる旅は「生まれかわりの旅」と言われ、地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定する日本遺産にも認定されています。

>>出羽三山『生まれかわりの旅』公式サイトはこちら

ミシュランで三ツ星獲得!世界が認めた霊山 羽黒山

羽黒山のシンボル、国宝「五重塔」


まずは出羽三山の玄関口である羽黒山「随神門」へ。ここから山頂まで続く杉並木は、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星に選ばれています。10分ほど歩くと、巨大な杉並木の中にそびえる五重塔が。思わず「おおー!」と感嘆の声を上げるほど大迫力の景色です。東北地方では最古の塔、平将門の創建と伝えられ、国宝に指定されています。

この先を進むと、見事な杉が立ち並ぶ参道が続きます。

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羽黒山最大最高齢「爺杉(じじすぎ)」

五重塔の左にそびえ立つ巨杉が、樹齢1000年と言われる「爺杉(じじすぎ)」。 特別天然記念物にも指定された大迫力の杉と国宝の五重塔を一緒にカメラに収めることのできる、おすすめの写真撮影スポット。夏にはライトアップが行われ、幻想的な姿を見せてくれます。

羽黒山最大最高齢「爺杉(じじすぎ)」

名物!2446段の石段にチャレンジ


山頂へと続く2446段の石段。階段は一の坂から三の坂で成り立っており、あちこちに盃やひょうたんなどの絵が33個も彫られています。全部見つけると願い事が叶うとか。

二の坂を過ぎたところには茶屋があり、ひと休みしながら絶景の景色を満喫できます。


※冬期間、石段は除雪されていません。

 山頂へ行く場合は、車または路線バスを利用することをおすすめします。

「二の坂茶屋」の力餅でひとやすみ


二の坂茶屋の力餅は昔ながらの杵つきで、あんこ餅・きなこ餅・納豆餅の3種類の餅が名物。遠く庄内平野を見渡しながらのひとやすみは格別です。

ここでは、石段登頂を証明する賞状がもらえます。ぜひ記念に入手してみてください!

(営業期間:4月下旬〜11月上旬)

「羽黒山斎館」で滋味あふれる精進料理を味わう


昔から羽黒山に伝わる精進料理。「奥の細道」行脚で出羽三山を訪れた際、松尾芭蕉も食べたとか。山で採れる旬の山菜・きのこ・タケノコなどがお膳に並べられて供されます。特に人気なのが醤油風味の甘いあんがかかった、ぷるぷるのごま豆腐。滋味あふれる精進料理で山のパワーをチャージしましょう!

斎館は出羽三山をお参りする方のための宿泊所。月山・湯殿山もめぐる方はここで1泊してみてはいかがですか。


※料理は予約制です。

出羽三山の神々を祀る「出羽神社 三神合祭殿」を参拝


日本最大級の茅葺屋根を持つ大社殿の存在感は圧巻!総漆塗の内部も迫力があり、見ごたえ十分です。ここ、三神合祭殿(さんじんごうさいでん)には、その名の通り、月山・羽黒山・湯殿山の三神が祀られています。月山や湯殿山は冬季は雪で参拝ができませんが、ここを参拝すれば三神をお参りしたことになるとされていますので、三山の参拝が難しいという方におすすめです。


※羽黒山も冬は雪に覆われます。長靴などを忘れずにご用意ください。

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傘や杖の貸し出しも。参拝前の準備はこちらで・・・

羽黒山杉並木の入口 随神門の近くにある「いでは文化記念館」の館内には、羽黒町観光協会もあるので参拝前の情報収集におすすめ。杉並木を歩くときに使う杖は1本100円、傘や長靴は無料で借りることができます。これで急な雨や雪でも安心ですね。


※雨や冬の降雪時には石段が大変滑りやすくなりますので、長靴に履き替えての参拝をおすすめします。

傘や杖の貸し出しも。参拝前の準備はこちらで・・・

羽黒山お参りのアクセス


【徒歩で行く場合】

 随神門 ⇒(徒歩約15分)⇒ 五重塔 ⇒(徒歩約20分)⇒ 二の坂茶屋 ⇒(徒歩約30分)⇒ 三神合祭殿


【路線バスで行く場合】

 羽黒随神門バス停 ⇒(路線バス約15分)⇒ 羽黒山頂 ⇒(徒歩約5分)⇒ 三神合祭殿

 >>バス時刻表はこちら


【自家用車で行く場合】 

 随神門近くの駐車場 ⇒(車約10分※)⇒ 山頂駐車場 ⇒(徒歩約5分)⇒ 三神合祭殿

 ※通行料金が必要です。

死者を祀る幽玄たる霊山 月山

月山山頂に鎮座する「月山神社」


月山(がっさん)の山頂に鎮座する「月山神社」は、近代社格制度における東北で唯一の旧官幣大社であり、守護神、月読命が祀られています。山頂からの眺めは、庄内平野はもちろん、鳥海山、朝日飯豊連峰、遠く岩木山、八幡平までも望むことができる絶景です。

また、クロユリやオゼコウホネなど、希少な高山植物が随所に見られます。


月山八合目より頂上までの山道は国立公園であると共に、出羽三山神社の境内地であり私有地です。特に頂上の月山神社本宮内は、広大な境内地の中でも、古来より特別な神域となっています。(月山八合目から山頂まで片道約3時間)


■開山期間:7月1日~9月15日頃まで

■月山神社本宮へ参拝するためにはお祓いを受ける必要があります。(お祓い料:500円)

※登山道を約1時間30分登った場所にある仏生池小屋、月山本宮から3分ほど下った場所にある月山頂上小屋は宿泊も可能です(要予約)

■登山靴、防寒具、レインコートなどの登山装備が必要です。アクシデントに備えての食料や水なども必ずご用意のうえお楽しみください。

月山ガイド協会では、八合目から頂上までの往復ガイドや湯殿山へ縦走する場合のガイドも受付しています。月山ガイド協会が紹介するガイドは、全て日本山岳ガイド協会認定ガイドです。

月山八合目に鎮座する「御田原神社」


月山の登山は難しいという方は、月山八合目駐車場から徒歩約10分の月山中の宮に鎮座する御田原神社へ参拝を。稲田の守護神である奇稲田姫神(くしなだひめのかみ)が祀られており、山頂の本宮を参拝したのと同じご利益があると言われています。古くから「月山の神様のお使い」とされている兎には、悪運から逃れる力があるそう。御田原神社近くにある「なで兎」をなでて、悪運を払ってもらいましょう。

お社の隣には御田原小屋(参籠所)があるので、宿泊も可能です。(要予約)

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天空の楽園 月山八合目 弥陀ヶ原でウォーキング

御田原神社参拝の後は、月山八合目 弥陀ヶ原の散策がおすすめ。1周約1時間の木道が整備されているので、登山初心者でも安心です。夏には、ニッコウキスゲやミズバショウなど130種類以上の高山植物で埋め尽くされ、日本でもトップクラスの高山植物の宝庫との呼び声も。

秋には見渡す限りに広がる草紅葉が!まるで黄金色の絨毯の上を歩いているよう。澄み渡った真っ青な青空とのコントラストはまさに絶景です。標高約1,400mの清々しい風を感じながら、癒しのウォーキング旅に出かけてみませんか?

天空の楽園 月山八合目 弥陀ヶ原でウォーキング

出羽三山の奥の院 神秘が息づく「湯殿山神社」

湯殿山は月山や羽黒山で修業を積んだ山伏が最後に修行に入る山。昔から「語るなかれ」「聞くなかれ」と、口外することは固く禁じられてきました。湯殿山神社本宮は、写真撮影禁止、参拝は土足厳禁という厳しい戒めで知られています。参道を素足で歩くことで、山の大地の気を直に感じられるかもしれません。

一方で湯殿山は「恋の山」とも呼ばれていて、縁結びスポットとしても有名。ここ湯殿山でしか手に入れることができない「恋の山守り」は縁結びのお守りとして、女性の方に人気のお守りです。

大鳥居の隣にある湯殿山参篭所は宿泊や日帰り入浴も可能(要予約)。入浴の際は、浴室の神棚に一礼してから入浴してください。


■開山期間:5月1日頃~11月3日頃まで(開山祭は6月1日、閉山祭は11月1日)

■湯殿山本宮へ参拝するためにはお祓いを受ける必要があります。(お祓い料:500円)

※大鳥居から本宮までは、徒歩でも行けますが本宮参拝バスでの移動がおすすめです。>>バスの時刻表はこちら

※自家用車で湯殿山駐車場までお越しの場合は、有料道路を通行します。

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秋は徒歩で・・・紅葉散策もおすすめ

湯殿山は紅葉の名所でもあります。秋になると周り一面の山々が黄色や赤色に彩り豊かに染まります。大鳥居から本宮までは歩いて約20分、紅葉散策もおすすめです。


※紅葉の見頃:9月下旬~10月上旬

秋は徒歩で・・・紅葉散策もおすすめ

丑歳御縁年

出羽三山のひとつ湯殿山が開山された丑歳は、出羽三山にとって特別な一年。丑歳には、三山の神様の力が最も高まると言われ、丑歳に出羽三山を参拝すれば、12年分の御利益があると伝えられています。12年に一度訪れる幸運の年に、出羽三山をお参りしませんか。


2021年(令和3年)は、丑年御縁年です!


出羽三山丑歳御縁年を記念して、令和3年7月1日から、高速バス「酒田・鶴岡~山形」線に「湯殿山口」バス停が新設されます!

これにより、現地までの交通が不安な方も、安心して参拝に訪れていただけるようになります。

今年度は高速バス山形線の「湯殿山口」を利用して湯殿山へ向かうお客様の無料送迎を実施しますので、併せてぜひご利用ください。


※無料送迎は事前予約が必要です

 湯殿山口バス停に関してはこちら

もっと興味のある方は・・・・・

修験者の雰囲気を味わう・・・白装束体験


修験者が身につける白装束を着て羽黒山や湯殿山を参拝すれば、より一層心が磨かれ御山のパワーを頂けることでしょう。全身真っ白な白装束を身にまとい、自分の足で一歩ずつ修験道を歩いてみませんか?


※3日前まで要予約

※白装束の着付けは宿坊・旅館で行うため、宿坊での精進料理の事前予約も可能です。


>>詳細を見る(外部サイト)


勤行や精進料理・・・宿坊泊だからこそできる体験


宿坊はもともとは修験者のための宿泊施設でしたが、最近では一般の参拝者も受け入れる施設が増えています。宿坊の魅力は、勤行(ごんぎょう)という毎朝行われる御祈祷に参加できることと、地元の食材をふんだんに使った精進料理を味わえること。また、山を知り尽くした先達が案内する月山・湯殿山ツアーや山伏修行などを行っている宿坊もあり、観光だけでは味わえない体験をしたいという方がたくさん参加しています。


>>詳細を見る(外部サイト)

もっと深く出羽三山の文化を体験したい方は・・・山伏体験


山伏修行の一部を実際に体験できる山伏体験は、年齢や性別に制限はなく、修行に耐え抜く強い気持ちがあれば誰でも参加OK。本物の山伏のように”滝行”や”火渡り”などもあります。

山伏修行体験は、いわば自然と一体となってエネルギーを体内に吸収したり、自分自身を見つめなおしたりといった、まさに”特別”な体験。観光客として出羽三山を訪れ、その結果この世界に”はまる”方も大勢いらっしゃいます。かつて多くの山伏たちが勤しんだ修行を、ぜひ体験してみてください。


>>詳細を見る(外部サイト)

さらに、本格的に修行したい方は…

羽黒修験にとって最も重要な修行のひとつ、秋の峰入り。修験者たちは、神霊が宿り、新たな生命を育む山に籠り、自らの生まれ変わり(擬死再生)をはかります。そんな古代的感覚を色濃く残す羽黒修験は、一般の方も参加できます。他では体験できない本格的な修行を行ってみませんか?


>>詳細を見る(外部サイト)

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