自然を愛でる旅

「山形はさくらんぼ」という印象がとても強いのではないでしょうか。その通りです。ただ、そのおいしい宝石はどんな環境が育んでいるのでしょう。


それは、新鮮な空気、鮮度抜群の水、雄大な山形の自然。


今回は、数ある自然の中でもずっと見ていたい景色をご紹介します。


山形県を訪れたら、その自然の神秘を満喫してほしい。おいしい空気をすって、雑音ではない自然のオーケストラを感じてください。

その名の通りの神秘な空間 幻想の森

山形県の北部、戸沢村には「幻想の森」と呼ばれる樹齢1000年を超える天然杉が群生する森があります。


幻想の森の杉は、根元近くからタコの足のように太い幹が枝分かれし不思議な形をしているのが特徴。その神秘さからCMや映画のロケ地としても使用されていますよ。


また、人里から離れているため、澄んだ空気の中を歩くと杉の香りがついてくるような居心地のよい空間です。ちょうど霧がかったタイミングに居合わせれば、どこか違う時代へタイムスリップしたような不思議な感覚に。


「人里離れた」と聞くとトレッキングや登山を想像されるかもしれませんがご安心くださいね。ヒールは難しいかもしれませんがスニーカーで充分散策できます。散策コースには木製チップが敷かれているので迷子になる心配もありません。気軽にマイナスイオンに触れにきてください。

別世界への入口?! 白川湖の水没林

山形県飯豊町にある白川湖は春先雪解けの季節に満水の時期を迎えます。満水時は、新緑の木々たちが水中に沈むため、あたかも水のなかから木々が生えているような光景となります。この現象は3月中旬から5月中旬のたった2ヶ月間しか見れません。


朝の静けさのなか、霧状のもやがかかり、あたり一面に広がります。そこはまるで別世界の入口のよう。時折湖面に反射する太陽光を受け、幻想的な輝きを放ちます。その美しさは息を飲むばかりです。


また水没林は自然の循環においても特別な意味があります。湖底に沈んだ木々が形成する独自の生態系は、湖の生態系に影響を与え、様々な生物たちにとって安息の場となっています。このダイナミズムが、白川湖全体に生命の息吹をもたらしているのです。


水没林が織りなす自然の美に魅了されることでしょう。白川湖の水没林は、自然の美と神秘を求める冒険心をくすぐる、心洗われる場所と言えるでしょう。

トトロの木と呼ばれる天然杉 小杉の大杉

山形県鮭川村の小杉地区にある大きな杉の木が「小杉の大杉」です。トトロの木の愛称で親しまれています。村の住民からは古くから御神木として大切にされてきました。


推定樹齢1000年と言われているこの天然杉は、耳に見えるてっぺんの2本の枝と地面に近づくにつれ広がっていく形はぽっこり出たお腹のようで、どこからどう見ても映画「となりのトトロ」のトトロ。


根回り6.3m、樹高約20m、枝張り17mもあり根元には山神様が祀られています。夫婦杉、縁結びの木、子宝の木とも言われ、パワースポットとしても知られています。

ぜひ、トトロに会いにきてくださいね。

自然の造形美と迫力の融合 蔵王のお釜

蔵王のお釜(おがま)は、まさに自然の造形美と迫力が融合する不思議なスポットです。蔵王は山形県と宮城県の境に位置し、その中でもお釜は、標高約1,841メートルにそびえる蔵王山の中腹に広がる大きな火口の一部です。


お釜はその名の通り、直径約40メートルにも及ぶ大きな円形のくぼ地で、エメラルドグリーンの水をたたえています。荒々しい火口壁と対照的なエメラルドグリーンに目はくぎ付け。神秘的な雰囲気に包まれます。夏には、高山植物の鮮やかな色彩に包まれ、まさに絶景です。


お釜は四季折々の美しさが楽しめ、車でお釜付近まで行くことができるので、ドライブやお子さま連れでも安心です。蔵王ならではの神秘的で荘厳な雰囲気をぜひ楽しんでください。

日本の赤壁 赤芝峡

山形県小国町にある「赤芝峡」。小国の市街地から新潟県方面へ抜ける国道113号沿いに突如として、深い峡谷となっている荒川沿いに絶壁のように切り立つ山が現れます。秋も深まる10月〜11月、燃えるようなあか、赤、朱。「日本の赤壁」と呼ばれる赤芝峡は紅葉の名所です。切り立った白い岩肌と赤のコントラストが見る人を魅了します。


赤芝峡は、人里離れたところにあり、一度荒川沿いに降り立てばシーンとした静寂と小鳥のさえずり、川のせせらぎがこだまします。遊歩道が整備されているので、その静寂のなか自然のオーケストラを楽しめるでしょう。また冷え込む朝は一味違います。朝靄がかかる幻想的な赤芝峡の光景が待っていますよ。


春から夏の新緑は、涼を求めて。冬は雪深い小国町ですが、雪景色も粋です。


険しい峡谷地帯を縫うように流れる荒川や岩の狭間から流れ落ちる小さな滝は異国を思わせます。113号線をドライブしながらもみえますよ。ぜひ、山形にお越しの際は一度訪れてみてください。

悲恋の物語が伝わる聖なる地 三淵渓谷

山形県長井市にある長井ダム。ダム湖の一部に三淵渓谷があります。三淵渓谷まではボートで行く方法しかありません。しかし、ここには悲しい恋をし、龍神になった卯の花姫の伝説があります。


悲恋の物語は千年以上前、敵方の男へ恋をし、その恋を利用され、自身の父を殺された一人の女性「卯の花姫」。父が亡くなった原因は自分にあるとし、三淵渓谷に身を投げたのでした。今は三淵神社で「水神様」として祀られています。言わばボートで参道を渡ってその先にある三淵神社へ参拝するのです。


水面に映る渓谷は、まさに神秘的。静けさの中をゆっくりと進みます。太陽の光が水面に差し込むとキラキラと輝き、両側の断崖との堺がわからなくなります。自分が浮いているような沈んでいるような不思議な感覚に。


どんどんと狭くなる渓谷は少しずつ光が遮断され、暗くなってきます。深い緑と黒はまさに別世界。断崖の迫力を楽しみたい方は、水が少なくなる夏がおすすめ。季節ごとにさまざまな表情をみせてくれますよ。

紅葉の絨毯が圧巻 面白山紅葉川渓谷

山形市の面白山紅葉川渓谷は、JR面白山高原駅のすぐ近く。電車から美しい景色が楽しめるスポットです。自然の中で楽しむ多彩な魅力が広がるトレッキングコースが魅力のひとつ。スリリングなつり橋や大小さまざまな滝が冒険心をくすぐり、足元に広がる落ち葉や崖道はまさにアドベンチャー。このスリルと冒険の中で心身をリフレッシュでき、大自然の迫力に圧倒されます。


秋には美しい紅葉が絨毯のように広がります。深い森の中で冷たい空気と共に季節感を感じる贅沢な時間を過ごせるでしょう。渓谷を囲む深山の紅葉と美しい渓流。大小さまざまな滝や吊橋。大自然を思う存分満喫してください。


また、コスモス畑も見逃せません。渓谷の自然とコスモスの色が調和します。夕暮れのオレンジ色に染まるコスモス畑と渓谷の美しい景色は幻想的です。

天空の楽園 月山弥陀ヶ原湿原

山形県の中央にそびえる月山。月山の八合目、標高1400mに位置している知る人ぞ知る「弥陀ヶ原湿原(みだがはらしつげん)」。


6月〜8月にはニッコウキスゲやミズバショウなど130種類以上の花が咲き誇ります。日本有数の高山植物の宝庫と言われています。また珍しい蝶やトンボにも出会えますよ。秋には、草花が黄金色に輝き、映画「風の谷のナウシカ」の一場面のような気持ちになります。弥陀ヶ原湿原は木道が整備されており、一周約60分ほど。空中の自然散策を楽しめます。


標高が高いので、気軽にいけないのでは?と心配される方もいるでしょう。心配無用です。初夏から雪の降る前の9月頃まで車でOK。高山植物をカメラに納めたい方や気軽にハイキングを楽しみたい方はぜひ弥陀ヶ原湿原へ。

真冬の神秘 蔵王の樹氷

蔵王の樹氷は、雄大な自然と寒冷な気候が生み出す驚くべき自然現象。冬季になると、蔵王山の樹木や岩などが氷で覆われ、まるで銀世界のような美しい景観が広がります。これが樹氷と呼ばれる神秘的で美しい光景です。


山形の特有の気象条件が揃い、初めて樹氷が生まれます。湿った風が蔵王山に当たり、樹木の枝や岩などに結晶化した氷が積み重なります。特に風景が凍結し、太陽光を反射することで、まるでダイヤモンドのようなきらびやかな樹氷があたり一面を飾ります。


樹氷の魅力はやはり儚さ。一年のうち冬季にしか味わえない産物です。その幻想的な美しさは一度見たら忘れられないものとなりますよ。蔵王の樹氷は、日本の自然の神秘的な一面を感じさせ、寒冷な季節にも訪れる価値のある絶景と言えるでしょう。

日本海にぽっかり浮かぶ小さな島 飛島

山形県の日本海側に小さな有人島が浮かんでいます。それが、「飛島」です。一面海に囲まれ、マグロや鯛、サザエやわかめなどの海産物がとても豊富。透明度が高い海は、ダイビングや海水浴にも最適です。


また、山形県最北端の飛島は、寒いかと思いきや暖流のおかげで比較的暖かいのが特徴です。キノコやワラビなど山菜も豊富なんです。


島には、コンビニやスーパー、信号機までもがありません。ないないづくしの島ですが、サイクリングや釣り、ダイビング。そして、鮮度抜群な海と山の惠たち。自然を愛する人なら病みつきになってしまうかも?!ぜひ、一度遊びにきてくださいね。

豊かな自然に会いにきてください

山形県の自然はいかがでしたか。自然の神秘を感じていただけたのではないでしょうか。


人間は自然なしでは生きていけません。食べるものも飲む水も全てが自然から私たちへのプレゼント。私たちを大きく包み込んでくれます。だから、人間は自然を愛し、自然に惹かれるのかもしれませんね。


さて、山形県の自然は氷山の一角。まだまだ、まだまだ、山形は自然の宝庫です。山が好きな方も海が好きな方も川が好きな方も、さまざまなニーズに合った自然が出迎えてくれますよ。

ぜひ、山形へ遊びに来てくださいね。


※写真は「椹平の棚田」です。


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