松尾芭蕉の足跡を訪ねて

日数
2泊3日
主な交通手段

『奥の細道』の旅路の中で山形を40日余りも旅した松尾芭蕉。ゆかりの地を巡って一句詠んでみてはいかがでしょうか。



START
1日目
JR山形駅より車で約30分

立石寺(山寺)

俳聖が名句を詠んだ、天空の古刹

「山寺」の通称で知られる「宝珠山立石寺」。奇岩怪石からなる山全体が修行と信仰の場になっており、登山口から大仏殿のある奥之院まで1時間ほどの道のりのそこかしこに、絶佳の景観が広がります。
 俳聖・松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の名句を紀行文「おくのほそ道」に残したことでも知られています。
1015段もある長い石段を登って奥之院を目指すのが王道の参拝ルート。石段は登ることにより煩悩が消滅すると言われている、ありがたい修行の石段。修行とはいえ、途中には句碑などの史跡や絶景が広がるスポットなど見どころがたくさんあり、知的にも感覚的にも楽しみながら登ることができます。
まずは登山口からほど近い場所に位置する「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」へ。国内最古のブナ材木造建築とされ、国の重要文化財に指定されています。「弥陀洞(みだほら)」は、雨風に削られた岩壁に仏の姿を見つけることができた人は幸せになれるとされるパワースポット。邪心を持つ人がくぐらぬように2体の仁王像がにらみをきかせている「仁王門」を過ぎ、「開山堂・納経堂」へ。雄大な山々を背景に赤い納経堂が巨大な奇岩の上に建つ様は、山寺を代表する眺めです。能の舞台のようなお堂の奥から田園風景を見渡せる「五大堂」も山寺随一のビュースポット。最終地点にあたる「奥之院・大仏殿」は悪縁切りのご利益があるとされています。
門前町では「山寺力こんにゃく」をはじめ、「さくらんぼソフトクリーム」「だしそば」などの名物グルメもお楽しみいただけます。
車で約5分

山寺芭蕉記念館

山寺の遠景はこちらから。松尾芭蕉を知るには欠かせないスポット

※空調改修工事に伴い施設の利用が下記のとおり変更となります。
展示室の公開は、2024年8月30日(金)から2024年11月1日(金)まで休止となります。

「山寺芭蕉記念館」は、山寺を一望できる高台にあり、芭蕉が「奥の細道」の旅で山寺を訪れてから300年の節目を迎えることを記念し、奥の細道にゆかりの深い山寺の地に建てられました。
外観は山寺一帯の景観と調和した和風平屋建てで、館内には芭蕉の真筆のほか奥の細道関連の資料が展示されおり、芭蕉に関する映像も鑑賞できます。その他には、京都北山杉を用いた本格的な数寄屋造りの茶室や研修室もあります。
また、記念館裏手の見晴らし台からは、奇岩・怪石群の中に立石寺がたたずむ絶景を見渡すことができます。春は桜、夏は真っ盛りの緑、秋は紅葉、冬は水墨画を彷彿とされる雪景色の山寺を望め、それは息をのむ美しさです。
車で約30分

最上川三難所そば街道でランチ

大いなる最上川が育んだそばの味

最上川の流れに沿ってそば屋が多く立ち並ぶ村山市。1994年、村山に伝わるおいしいそばを多くの人に食べてもらおうと、「最上川三難所そば街道」は始まりました。木製の器「長板」にそばを盛りつけるのが、村山市の「板そば」です。特に11月は新そばの季節です!採れたて・挽きたて・打ちたて・茹でたてのおいしいそばを食べることが出来ます。
【おそばがおいしい理由】日本三大急流のひとつである最上川と、葉山の雄大な自然に囲まれた村山市。寒暖差の激しい村山市の気候が、そばの旨味の元「デンプン」を多く生み出します。そのおいしい原料を元に、熟練したそば職人が丹精込めて丁寧にそばを打つため、味わい深いそばが出来上がります。
 

最上川三難所舟下り

船頭さんの面白い話と唄に酔いしれる御座敷船での川下り

他県にまたがることなく山形県内を流れる最上川。平安時代に舟運が始まったとされ、江戸時代には山形城主最上義光が大がかりな開削整備を成し遂げ見事に発展しました。そんな最上川舟運が栄えていた時代、船頭たちが最も恐れていた3つの難所すべてが村山市に存在します。最上川舟唄にもある、「碁点・三ヶ瀬・隼」です。現在は、スリル満点の約12km、50分間の舟下りとして、多くの人に愛されています。
※乗舟場と舟着場は異なりますが、舟下り後は無料送迎バスで乗舟場まで戻ることができます。
【最上川三難所】碁点:碁石を並べたように岩が突起している三ヶ瀬:川底に細い岩礁が三層をなしている隼:岩礁が川底全体を覆い急流になっている
車で約30分

芭蕉・清風歴史資料館

昭和58年7月、歴史を学び、大切に子孫に伝えることを目的として開館

常設展、特別展のほか、講演会やギャラリートークなども開催しています。江戸時代の創建で、防火扉の蔀戸を吊っている「蔵せみ」、母屋は雪国に特徴な通り土間を設けた中門造になっている。尾花沢地方における江戸時代町家の完成した姿を伝える貴重な遺構である。
車で約30分

赤倉温泉で1泊

豊富な湯量を誇る 源泉かけ流しの湯

いにしえよりの名湯、赤倉温泉はその豊富な湯量が自慢。全館かけ流しの本物の温泉です。開湯は1100余年の昔。863年(貞観5年)、諸国行脚の旅にあった慈覚大師が、村人たちが傷ついた馬を小国川の川湯に入れて治しているのを見て、錫杖で岩を掘ったところ湯が噴出したと伝えられています。(今でも、温泉街の真ん中を流れる小国川の石を掘ると、温泉が湧き出ます。)泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩温泉で、関節痛、神経痛、動脈硬化などに効くと言われており、湯から上がった後、いつまでもぽかぽかと体が温かい。いわゆる温まり(あったまり)の湯です。各宿が持つ源泉をお楽しみください。
2日目
車で約10分

旧有路家住人 封人の家

松尾芭蕉ゆかりの宿

旧有路家住宅(封人の家)は、1969年(昭和44年)、山形県東部に古くから見られた茅葺き寄棟造り、広間型民家の好例として、国の重要文化財に指定された最上町所有の建造物です。1971年(昭和46年)から1973年(昭和48年)にかけて解体復元修理が行われ、創建当時の様式で保存、一般公開されています。
桁行24.755m、梁間9.999m、平面積269.180㎡(約81坪)の大型民家で、江戸初期を下らない時代の創建と見られています。
この住宅は、松尾芭蕉が「おくのほそ道」に記した、堺田のいわゆる「封人の家」と見なされており、芭蕉が滞在した時の印象を「蚤虱馬の尿する枕もと」の句で表現したと言われています。封人の家とは、国境を守る役人の家のことだと「おくのほそ道」に綴られています。
車で約45分

芭蕉乗船の地

五月雨を 集めて早し 最上川

芭蕉が1689年(元禄2年)、清川に向けて舟で下った乗船の地。「五月雨を集めて早し最上川」の句碑と、芭蕉と曽良の陶像があります。
車で約20分

白糸の滝&ドライブインでランチ

国道47号のドライブインから対岸に眺める日本の滝百選の名瀑。赤鳥居がある滝下までの一筋の流れは、最上川渓谷の絶景。

日本の滝百選の一つ。最上川沿いに標高300-500mの山地が急斜面を形成する最上峡には滝群があり、西端にある白糸の滝はその中でも最大である。最上川に落ちる水が白糸のようであるところから名付けられました。滝の下には不動堂が、対岸には草薙温泉があります。
<松尾芭蕉> おくのほそ道「白糸の滝は青葉の隙々に落て、仙人堂、岸に臨て立。水みなぎつて舟あやうし。」


■DATA落差:約120m形態:段瀑所要時間:駐車場からすぐ※※起点:マップ「白糸の滝ドライブイン駐車場」より
■ビューポイント白糸の滝ドライブイン、最上川舟下りの乗船中■近隣の観光スポット高麗館、最上川・最上峡・最上川舟下り・芭蕉ゆかりの地として一括りの観光。幻想の森
■最寄の宿泊施設旅館1軒
■観光時期通年
車で約5分

芭蕉上陸の地

最上川舟運の川港「清川」は内陸と庄内を結ぶ交通の要諦

松尾芭蕉上陸の地である清川は、出羽三山へと至る「いのりの道」のスタート地点であり、ここから上陸した人々は出羽三山へと旅を続けました。
羽黒の山のにぎわいは、そのままかつての清川のにぎわいでもあったと伝えられています。
そして江戸時代には交通の要所であるこの地に関所があったとされ、現在も「舟つなぎの榎」や井戸跡が残っています。
そんな中で最上川を下り清川の地に降り立った松尾芭蕉は、舟中で「五月雨をあつめて早し最上川」という句を詠んでいたと言われています。
車で約25分

羽黒山

出羽三山の神々を祀る森厳のお山 羽黒山

羽黒山、湯殿山、月山の出羽三山は、全国有数の修験の山として知られています。
その中で羽黒山(標高414m)には、三山の神を合祭した出羽神社の社殿・三神合祭殿が山頂にあります。
参道には国宝五重塔があり、2,446段の石段と杉並木が続き、神聖な雰囲気を漂わせています。

★国宝羽黒山五重塔 杮葺き屋根の葺き替え工事は2024年9月に完了しました。
 足場が撤去され、五重塔の全体が見られるようになりました。
 より神々しくなった五重塔を見にぜひお越しください!
 ▶お問合せ:出羽三山神社(0235-62-2355)

※冬場、五重塔に至るまでの石段は、除雪もなく、大変滑りやすくなっておりますので、雨や雪の際は、いでは文化記念館で長靴を借りるなどしてご参拝ください。
 五重塔より先も除雪されていないため、山頂までは随神門まで引き返してバスやお車で山頂までご移動をお願い致します。



※下に登山Youtuberかほさんが羽黒山登山をした動画がありますので、ご覧ください。
(動画中で蜂子皇子の歴史について「京都を出て」とありますが、蜂子皇子が出港したとされる港(京都の丹後由良)のことです。)
車で約40分

湯野浜温泉で1泊

山形県内有数の温泉リゾート、日本の夕陽百選の温泉郷

開湯1,000年、海岸沿いに近代的ホテル・旅館が建ち並ぶ温泉リゾート。
目の前に広がる約1kmの白浜海岸が特徴の広大な砂浜と「日本の夕陽百選」にも選ばれた、日本海に沈む夕陽をながめながらの露天風呂は、浜辺の温泉郷ならではの醍醐味。
オーシャンビューのホテル・旅館から、県内有数のリゾート地で、青く澄んだ海でのマリンスポーツが楽しめる温泉です。
3日目
車で約25分

長山邸跡

松尾芭蕉のゆかりの地

俳聖松尾芭蕉は、元禄2年に羽黒山を下って、鶴岡城下に住む庄内藩士 長山五郎右衛門重行の屋敷に入りました。
長山重行は、呂丸や岸本公羽と共に蕉門の偉人として、鶴岡俳壇に重きをなした人物で、その屋敷跡が残っています。
松尾芭蕉は、ここで、食膳に供された鶴岡の名産「民田なす」が目にとまり、「めずらしや山をいで羽の初茄子」の句を詠んだといわれています。
現在、山王町の中にあるこの跡地は、「長山小路」とも呼ばれています。


徒歩で約5分

奥の細道内川乗船の地跡

松尾芭蕉の足跡

3日間、長山邸に滞在した松尾芭蕉は、屋敷近くにある内川・大泉橋のたもとにある船着き場から川船に乗り、内川・赤川・最上川と下り酒田に赴いたと言われています。(大きさ:木製、高さ2.8m、巾0.3m標柱)
車で約35分

日和山公園

港の繁栄の歴史を示す多くの遺物が点在する日和山公園

日本海に沈む夕陽が旅情をかきたてる日和山公園は、桜の名所でもあり、毎年4月中旬には酒田日和山桜まつりが開催され、ソメイヨシノなど約400本の桜が咲き誇り、夜はボンボリでのライトアップも行われます。

園内には、日本最古級の木造六角灯台や方角石、往時活躍した千石船(1/2で再現)などがあり、港町の風情を醸し出しています。
また、園内の全長1.2kmにわたる散歩道には、29基の文学碑が建てられ、江戸時代から昭和にかけて酒田を訪れた文人墨客を紹介しています。

六角灯台越しには酒田港や最上川河口を一望でき、日本海に沈む夕陽を観ることができます。
車で約5分

酒田海鮮市場で海鮮ランチ

新鮮な庄内浜の魚介が買える!味わえる!

さかた海鮮市場は酒田港のすぐそばにあり、日本海で水揚げされたばかりの新鮮で美味しい魚を取り揃えています。

1階の菅原鮮魚では、地魚を中心に取り揃えており、調理方法のご案内や、お持ち帰りに便利な箱詰めも依頼できます。また、イートインコーナー「喰居来居や 和ん(くいこいや わん)」が平成28年12月にオープンしました。
2階には食事処「海鮮どんやとびしま」があり、酒田港を眺めながら、海鮮丼や舟盛膳などの食事を楽しむことが出来ます。

また、ウッドデッキや送迎テラスから酒田港を一望できるのも魅力で、定期船とびしまのお見送りをする人も多くいます。
車で約45分

あつみ温泉散策

お肌しっとり、ぽかぽかが続く泉質!

【あつみ温泉】あつみ温泉は、やわらかな湯と清流の音が心地良い風情ある温泉地。良質の温泉と旬の食材を使った料理、あたたかなおもてなしが自慢の宿が並びます。温泉街を流れる温海川河畔は、春は桜、夏の鮎釣り、秋には鮭の遡上と四季折々の表情を見せ散策におすすめです。川辺の足湯やウッドデッキでひと休みすれば、寛ぎのひとときが心を癒してくれます。朝市や共同浴場で地元の人達とのふれあいも楽しい温泉街です。
泉質/ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉効用/切り傷、皮膚病、慢性疲労など☆塩化物泉はベールのようにのこる塩被膜でしっとりぽかぽかが持続。硫酸塩泉は肌しっとり乾燥を防ぎます。
車で約15分

念珠関所址

現在の関所址は、古代鼠ヶ関が移転されたもので、移転された事情や時期は明らかではありませんが、庄内に酒井氏が入部された1622年(元和8年)以後に整備されたといわれています。
JR鶴岡駅まで約40分
GOAL

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